◇見方◇ 7.28フットボールは、見る側の主観がその印象に大きな影響を与えるから、一概にあのチームの戦術が素晴らしいなどと言い切るのはとても難しい。そういえばJリーグが開幕した頃、加茂周監督に率いられた今は無き横浜フリューゲルスが“ゾーンプレス”という戦術を導入して一時話題になった。フットボールの何たるかを全く知識として持ち合わせていなかった僕にとって、(いや勿論今でも知識があるとは到底言えないけれど、それでも当時よりはましだと思っている)ゾーンプレスという響きは何となく高度な戦術の様な感じがしたし、尚且つその時フリューゲルスは戦術的な優位性をもって成し遂げたのかは兎も角、93年の天皇杯を制していた。 エドゥーという特別な左足を持つタレントを中心に据えた攻撃陣は、ボールを奪取してからものの数秒で相手ゴールへ襲い掛かり、また相手ボールになれば瞬く間にボールホルダーを囲い込みボールを奪う事しばし。僕は無知ながら、ああこれがゾーンプレスなのかと漠然としたイメージを持ち、その後、順序が逆になるのだけれど、アリゴ・サッキ率いるイタリア代表のプレッシングフットボールをテレビで見た時に、すぐさまこれがフリューゲルスの原案となっているものだと判った。フリューゲルスの時には感じなかった凄みをイタリア代表には感じたし、ああなるほど加茂さんはこんな事がやりたいのだろうなというのがおぼろげながらに解った。 だから当時、僕は加茂さんの戦術が日本で飛びぬけて先進的なものだと感じていて、しかも“ゾーンプレス”という単語に対して特別な思い入れを持った。というより、ゾーンプレスという言葉が大きな意味を持って僕の中を一人歩きし、あたかもゾーンプレスと謳っていればそれだけで、そのチームがとても優れたフットボールをしてくれるのものだと固く信じるようになっていた。無知というのは恐ろしく、僕の中で最も優れたフットボールとして理解されてしまった所謂“ゾーンプレス”は、その他のフットボールスタイルを寄せ付けない存在となり、当時相変わらずマンツーマンの3バックで戦っていたドイツ代表などを小馬鹿にし、中盤をルーズにする様なゲームは見ているだけで嫌気が差したりしていた。 それから10年とちょっと、僕もフットボールをスタジアムで見る機会が増えて、様々なスタイルのゲームを見る様になって、少しだけ成長したのか“ゾーンプレス”という単語を過大に美化する事は無くなった。加茂さん率いる日本代表が、ゾーンプレスとは名ばかりの中盤をぽっかりと空ける試合をしていたり、ゾーンプレスとは対極にあると思っていたブラジル代表がとても統率されたプレスを見せてくれる事があったり、僕があの時構築した価値観は時を経る毎に壊され、また新しい価値観を作り出した。4バックでなくてはプレスは機能しないという、今では当たり前の様に流布されている言説は98年頃のユベントスを見ればその効力を失うだろうし、きっとその他にもまことしやかに囁かれるフットボールの話には、絶対は無いと考えられる様になった。 多分、現在欧州のフットボールで4バックが趨勢を握っているのは、チャンピオンズリーグの拡大により試合数が増えて、ビッグクラブが“より簡単に”勝つ為の方策を練ったからこそだと思うし、今や欧州のビッグクラブに時間を掛けて強いチームを作るだけの余裕は無い。選手を駒として考えた時に、4人でグラウンドの横の幅を守る事が出来る4バックはバランスが良いし、どんな選手でもそれなりに早く適応出来る。それに引き換え3バックは、4バックよりバランスが悪いとされるから戦術の熟成に時間がかかり、選手のレベルも必要になってくる。クライフのバルセロナやリッピのユベントスが何故あれだけ3バックで優れたチームを作り出す事が出来たのか、それはじっくりとチームを熟成するのが可能だった、時代によるものなのかと考えたりもする。 4バックだから優れているだとか、3バックだから遅れているだとか、マンツーマンだから、ゾーンだから、云々やるのは楽しい時もある。ただ、そうやってフットボールを言葉によって縛ってしまうのは、フットボールの持つ大きな魅力を狭めてしまう気がしてならない。どんな監督でも、少なからず自分のビジョンを持ってチーム作りをしているのだろうし、彼や彼らがどんな風にして相手を上回る得点を挙げようとしているのか、失点を防ごうとしているのか、そうやって観た方がフットボールは面白いと最近思うようになった。 ◇仕事◇ 7.25土曜日の午前、ウラワサポが揃って長野へと向かっている筈だろうその時に、僕は何故だか東京は中野の駅に降り立っていた。高い位置から降り注ぐ日差しは厳しく、改札を出てブロードウェイの方角へと延びる、主にバスの進行を遮る普通より少しだけ長い横断歩道を渡り終えただけで、着てきたTシャツは既にびっしょりと汗で濡れていた。幾らナイターとは言え、関東で行われるアウェー戦だから普段ならば何とか駆けつけただろうけれど、イベントにかり出されてしまえば下っ端の僕が抜け出せる筈もない。アーケードの下に入って日差しが遮られたから直接的な暑さを感じる事は減って、それでも耐え難い蒸し暑さに難儀し、一人イベントの場所へと向かいながらウラワから離れている自分を嘆く。 出掛けに調べた予定だと、スカパーで放映される中継は2時間ほどのディレイ放送らしかった。イベントは午後6時くらいには終わる予定だから、急いで帰ればそれに十分間に合う。僕は情報遮断をしてテレビを見る事を心に決め、イベントが行われている最中は殆どの時間を上の空でやり過ごし、時間が過ぎていくのをただひたすら待ち続けた。何度腕時計を見たのか判らない。 こんな時、大体想像通り物事は運ぶものらしく、イベントの終了時間はどんどん押した。お客さんがあっての仕事の筈なのに、苛つく自分を隠す事無く貧乏揺すりを繰り返し、明らかに不機嫌そうな表情を崩さず仕事をする姿は、滑稽ですらある。生きる上で、食い扶持を稼ぐ事以外に重要な事などある訳がないと言われてしまえばそれまでだけれど、僕にとってはそれとほぼ同じくらい大きな意味を持つものがある。少なくとも、仕事を投げ出していないだけましじゃないかと、仕事に対して身の入らない自分を励まして、漸く終わりの仕草をこちらへちらちらと見せてくるイベントに早くしろと投げかけつつ、終了後の撤収作業の準備を始めた。 撤収が終われば、仕事の仲間達が疲れたなどと話ながらお茶でも行こうよなどと声を掛けてくるのが容易に予想がついたから、作業中に今日はこのあと予定がある旨を伝えておいた。僕は、こういう時だけ要領が良くなる。だから、全ての作業が終わった時に僕へ降りかかる声は一つもなく、それはそれで少し寂しいんじゃない、何て情けない事を考えながら僕は一目散に会場を飛び出した。ずっと立ちっぱなしの仕事だったから、足腰に多少の疲れは残っていたけれど、中野駅へ走る僕の足取りは軽かった。跳ねる様にして走り、総武線へ飛び乗る。 1時間弱で家に到着するや否や、僕は自室に駆け込みビデオのセットをする。スカパーのチャンネルを合わせ、ウラワ戦の放送開始時間を待ちわびる。時計を見れば開始まであと15分程度あるから、ちょっと情報収集とPCを立ち上げたのが間違いだったといえばそれまでだ。情報遮断と自分で決めていた筈なのに、勿論ウラワの結果は見ないようにしておこうと考えてはいたのだけれど、いつもと同じく決まった動作でタブブラウザを立ち上げ、前回終了時のウインドウを開くというコマンドを選んだ。すると画面には、前回終了時に見ていた日刊スポーツのサイトが表示されていて、そこには「ウラワ勝利」の文字が躍っていた。 いや、確かに勝利を知ったのだから嬉しくない筈は無いのだけれど、僕の予定を遮断した嫌な仕事を片づけ、情報を断ってじっくりとテレビで見ようと考えて我慢してきた矢先の事だったから、嬉しい反面知りたくなかった結果を見せられてしまい、僕は少しだけ肩を落とした。すると、机の上に置き去りにされていた携帯電話がブルブルと震え、何だよ仕事の電話かなと不機嫌な心持ちで電話に出るとそれは松本へ観戦に行っていた知人からのもので、彼の余りに嬉しそうな声を聞いていると僕は落ち込んでいるのがとても馬鹿馬鹿しくなり、帰路気を付けてという様な意味の言葉を電話に残してテレビの画面に集中した。 僕らの十年選手はやっぱり右サイドが主戦場だときっぱり言い切れるだけの仕事をして、厳しい決断をした管理職に対して模範解答を叩き付けた。両足を攣る彼の姿を僕は今まで見た事が無く、果たしてそれがやる気の問題なのか僕には判らなかったけれど、この日の彼は見ているだけで気持ちが伝わってきたし、それが周囲に与える影響が大きい事も再認識できた。僕が彼の様に高い能力を持っているかは別の問題として、限界まで能力を出し切る仕事をしたいと思ったし、それが出来る環境を作った管理者も偉大なんじゃないかなとも感じた。多分、それが一つ上のステップへと繋がっているとも。 ◇熱気◇ 7.22岡野の忘れられないゴールがあってからすぐに試合終了のホイッスルが吹かれ、ウラワは劇的な逆転勝利をもってナビスコカップに踏みとどまった。岡野のゴールから僕は意識が高揚して、周囲の人達とハイタッチを繰り返し、その時点から試合終了までの記憶は殆ど無くしていた。去年のファーストステージでは、達也がスーパーサブとして活躍し、結構な逆転勝利を見た様な記憶があったけれど、ロスタイムを2分過ぎてからの逆転劇など僕のメモリーには無かったから、一種異様なトランス状態に陥っていて、選手達がゴール裏へと歩いてくる時になってもその状態が解消される事は無かった。 その時になって、試合前に考えていた事を急に思い出した。新加入のアルパイや岡野に対してコールを繰り返しているうちに、両足をアイシングしたままゆっくりとこちらへ向かってくる啓太と山瀬が目に入ったのだ。普段、試合を途中で交代した選手が、終了後スタンドへ挨拶に来ることは滅多に無いし、何故彼ら二人がスタンドへ向かってきたのか僕には本当の所は判らない。ただ、勝利したのは勿論、選手紹介の時から彼らに対する暖かい思いはスタジアムのそこいら中に迸っていて、それを感じ取って貰えたのではないかと夢想する。 選手達は代表というものに対して様々な思いを持っているのだろうし、多かれ少なかれ、それを目指すのが選手の何の衒いもない普通の心持ちだろう。特に、五輪の様な年代別の代表ともなればチャンスは少なく、そこから脱落してしまった時の心情は想像に難くない。でも、僕にとってはかけがえのないウラワの選手だ。だからこそ、彼らに対して最大級の親愛の情を示すべきだと僕は試合前に考えていた。代表から外れようが何をしようが、彼らはウラワの選手なのだから。 この劇的な勝利も、スタジアムの雰囲気も、この日ばかりはサポーターによるものだと言い切りたい気持ちにかられた。選手達が辛い思いを抱いていたとしても、サポーターはなりに彼らを守ることが出来るし、鼓舞する事も出来る。この日の駒場は色々な種類の熱気を帯びていた。チームを勝たせようとする熱さ、落ち込む選手を励ます暖かさが入り交じり、久しぶりの駒場という事も相俟って、混沌とした空気の揺らぎがそこにはあった。啓太と山瀬が小さな笑みを浮かべながらこっちへ向かって歩いてくるのを見た時に、やっぱりウラワを応援していて良かったと、少なからず思った。 ◇暑いっす。◇ 7.21密かに二日連続で代表の試合があったりした訳ですが、それを気にするどころか試合の存在すら忘れていた管理人です。猛暑の中、皆様如何お過ごしでしょうか。管理人は相変わらず会社の歯車として忙しい毎日を送っております。企画の方は順調に動いていますが、僕の更新頻度はそれと反比例して低下しつつあります。何卒ご容赦の程を。一応、上のリストだけはなるべく毎日更新していますので、是非ご確認下さい。今日現在で参加して頂いたサイトは40弱にもなり、既にウラワサポのアーカイブとしてはかなりのものになってきています。 外気温は耐えられない程の暑さが続いていますから、僕もそうですが、室外で働いている方にとっては地獄の様な天気ですが、夏バテしないように頑張りましょう! ◇二つばかりお願いが◇ 7.19先日、ちょっとだけデザインをリニューアルしてみました。如何でしょうか。密かにゼリッチを仕込んでみたり、少し凝ってみたのですが。僕はウインドウズユーザーでその他の環境では確認すら出来ていないので、もしかするとマカーの人には上の写真などが真っ黒に潰れて見えているかも知れません…。何かお気づきの点があれば、教えて下さい。 それはさておき、更新を再開された「アナホッテウメテ4」さんから微妙に不備を指摘された上の企画について。現在の所32カ所のサイトさんが参加して頂いて、僕が勝手に始めたのが6月の29日ですから、普通に計算すると一日約1.6人の方が書いて頂いている計算になります。そして、今日が7月19日なので、セカンドの開幕まであと26日。26掛ける1.6は41.6。足すことの32は、73.6。っておい!間に合わないじゃないか。何も考えずに100と設定した自分を呪います。現実的に、ウラワ系サイトって100個もあるのだろうか。ウラツウアンテナに登録されている数だってその位だろうし、勝手に始めておきながらちょっと不安になりつつ。 まあ、今更悩んでも仕方がないので、もうちょっと経ったら善後策を考えます。無理矢理終わらせなければならない訳でも無いですし。ただ、次のサイトを探すのがそろそろ難しくなってくるでしょうから、これまでにも増して、飛び入り参加をお願いします。まだ回ってこないぞ、という方は勿論、回ってきたらどうしよう、などと恐れおののいている方(いないか)も気楽に考えて是非参加して下さい。僕自身、とある人とのメールのやりとりから、思いつきの様に始めた企画ですが、サポーターの方々が昔を振り返る事が出来る、面白い時間だと気づいたのです。 一つの試合でも人によって様々な見方がありますし、「へえ、こんな風に感じたんだ」などと思う事も結構あります。何だかんだいってウラワも既にクラブ創設から12年の月日が流れ、J開幕当初からのサポーターや、近年になってからのサポーターも居ます。それぞれクラブに抱く思いはそれぞれでしょうし、そんな歴史が出来上がって来たことに対して嬉しさもあり。 誠に身勝手な企画ではありますが、何卒ご容赦&ご参加の程をお願いします。 ◇市原戦・第一幕◇ 7.18所用のため、キックオフ間際に駒場到着予定で動いていた。その用事は思ったよりも少しだけ早く終わったから、普通に向かっても問題なく間に合う筈だったのだけれど、自然と早足となる自分に気づく。いつもだって家が遠いからという理由でそれ程早い時間に行っている訳ではないけれど、それでも開門時間あたりにはスタジアムに居る事が多いから、駒場が近づくにつれて聞こえてくる場内のざわめきを耳にするとやはり焦る。 席に着くと、時間は丁度選手紹介が始まる5分前。良かった、何とか間に合ったよ。落ち着く間もなく場内にはHOUSE OF LOVEが響き渡り、強烈な爆発音と共に選手紹介に入る。3週間ぶりのこの感覚、ぼやけていた頭が一気に切り替わる。何時も通りのコールをしていると、啓太と山瀬の所で異常に周囲が盛り上がる。僕も、今日は彼らに対して敬意を表したサポートをしなければならないと考えていたけれど、やっぱりウラワのサポーターは暖かい。みんな、全部解っている。二人に対する熱い声は、試合終了後まで続いた。 いつもなら、試合前に仲間内でウラワ談義に花を咲かせるのだけれど、今日はこんな到着時間になってしまったから、いきなり試合に突入しなくてはならない。毎回、とりたてて重要な話をしている訳ではない。ただ、試合に入るリズムが違うから、何となく違和感を感じる。そしてその違和感は、試合が始まってからも延々と続いた。 走るサッカーという代名詞の下、去年からJリーグに新しい風を巻き起こしている市原が、何故だか全く走らない。ウラワのパフォーマンスは兎も角、運動量が著しく少ない市原のフットボールに、僕は強烈な違和感を感じていた。そりゃ、カップ戦のアウェーゲームである上、マルキーニョスとサンドロという攻撃面でのキーマンが二人も欠けているのだから、オシムが現実?†††† ?? ??的な選択をしたのだといえば理解し易い。ただ、それでもあの監督が、こんな選択をするとは僕には考えられなかったのだ。少なくとも去年の市原ならば、チェとサンドロが欠場しようとも、今日の様なネガティブなフットボールを遂行しようとはしなかった筈だ。 オシムは、諦観してしまったのだろうか。曲がりなりにも優勝争いの出来るチームを作り上げたのにも関わらず、そのオフに得点源であるストライカーを放出してしまうクラブに対して、無力感を抱いてしまったのだろうか。今日の市原が描いたシナリオは、まさしくプロビンチアのそれであると思う。攻撃力に勝る格上のチームに対して、自陣に引きこもりディフェンスラインでボールを回し時間を稼ぐ。引き分けを狙い、カウンターや相手のミスから得点が出来れば最高とするシナリオ。相手の事だからどうでも良い筈なのだけれど、何だか少しだけ悲しくなった。 そうしてウラワは、相手の術中に見事にはまり込み、なかなか得点の匂いを作り出す事が出来ない。ミリノビッチと斉藤が後ろでゆっくりボールを回していて、それに対して僕らは必死でブーイングする。彼らは駒場の不穏な空気を感じているのか否か、ポーカーフェイスでどうでも良いボール回しを続けている。ウラワは前半何度かチャンスを作り出すものの、そのどれもが決定的とは言い切れないもので、スタジアムに漂うフラストレーションは高いレベルで推移していた。 後半の立ち上がりから、試合は急に動き出した。前半全く動かず、シュート数ゼロで終えていた市原が、いきなり高い位置からプレッシャーをかけ始めたのだ。この動きだしによって、チーム力で上回るウラワに決定機が如実に増え始める。久しぶりに見た啓太の枠内シュートはエメルソンの頭で弾き返され、キーパーをかわして打ったエメルソンのシュートは無情にもサイドネットに突き刺さる。山瀬のシュートはやっぱりキーパーに当たり、後ろから抱え込まれてなぎ倒された永井のプレーに笛が吹かれる事は無かった。瞬く間に何度も決定的なチャンスを迎えながら、決めきれないウラワ。こういう時に浮かんでくる嫌な予感は、いつだって本当になってしまう。 その前にも2度、ディフェンスラインの裏を取られていた。その時は“アルパイ!”と山田のカバーリングによって事なきを得ていたけれど、3度目ともなればそうもいかない。抜け出した林が折り返し、市原は無人のウラワゴールへ“シナリオ通り”の先制点を蹴り込む。得点者は楽山。は?誰だそれ。ウラワサポーターを煽る格好をする無名選手をぼうっと見ている内に、沸々と怒りの感情がわき上がってきた。こんなフットボールに負けてはならない。絶対に駄目だ。僕は、失点をしても歌い続けているゴール裏中心部に負けじと、必死にコールをかぶせた。 失点をして目覚めたのかは解らない。この時間まででも十分チャンスは作っていたし、今年になってから始めてみた様な攻撃時の決まり事も見受けられる様になった。ただ現実として得点は奪えず、逆に得点を奪ったのは、普段練習しているか疑わしいエメルソンのクロスから長谷部が試みたヘディングシュートであり、岡野の左足から放たれた美しいドライブシュートだった。多分、得点を奪った2回のチャンスが、この試合で最も難しい2回だったと思うし、その難しいチャンスを決めさせたのはスタジアムの雰囲気なのではないかと不遜な思いを抱く。恐らく、選手達にも色んな感情があって、啓太や山瀬には勿論見返してやるという思いがあるだろうし、ディフェンスラインの選手達には無様な失点をしてしまったという気負いがあるだろうし、攻撃に関わる選手達は何度も決定機を逃して焦りの気持ちがあるだろう。サポーターの気持ちも含めて、そんな混沌とした気持ちが、相手のシナリオに振り回される情けなさと事故の様な失点によって、一気に同じベクトルを向いたのだと思う。 時として、怒りの感情は自分の持つ力以上のものを引き出すというし、今日はそれが結果に結びついた。もっと簡単に勝てていた試合だとは思うけれど、応援する側にとってはこれ程上質の展開はあり得ない。僕も、怒りの感情を抱いてから20分後には歓喜の渦にその身を飲み込まれ、その中で今日はフットボールの神様がもしいるとしたら、きっと試合をじっくり見ていてくれたのだろうなと考えたりしていた。これだから、ウラワは止められない。 ◇あ〜あ◇ 7.16スカパーでチャンピオンズリーグプレイバックという番組があって、今日は97〜98シーズンの決勝をやると知っていたから録画しておいてさっきそれを見た。レアルが勝ったという結果は知っていたし、内容も朧気ながら覚えていたけれど、今と同様華麗なレアルと質実剛健のユーベがぶつかりあった面白い試合だと記憶していたから、こんな良い機会は無いと思いおもむろにテレビの前に座るや否やビデオの再生ボタンを押した。 予想通りというべきか、序盤からユベントスが驚くべき運動量をベースとするプレスを仕掛け、レアルにボールを持たせない。それどころか、若かりしジダンを中心にダイレクトパスを繰り返すユベントスが圧倒的にボールを支配して、レアルを窮地に追い込む。ジダンは今でもスーパーマンだけれど、今日のビデオを見る限りそれ以上にスーパーで、グラウンドのあちらこちらに顔を出してはボールに触り、誰よりも動いてチャンスを作り続けていた。それでもお互い譲らず、これ以降一進一退の攻防を繰り返して、試合はロベルトカルロスが作ったチャンスを見逃さずに決めた、ミヤトビッチのゴールで終結する。 ビデオを見ていると、まだ頭が黒いジダンが見せる異次元の個人技に目を奪われ、背筋を伸ばして美しくボールを捌くレドンドに見せられ。何年も前の試合だからと、ちょっと気を抜いて見ていたのだけれど、実際画面に浮かび上がる二つのチームの戦いは、ひょっとすると今のフットボールよりもスピーディーに見えたし、両者の攻防はとても刺激的なものだった。負けたとはいえ、ユベントスの組織的なフットボールは十分見応えがあった。今となっては“遅れている”と言われる3バックだったけれど、いやいやむしろ現代のディフェンスラインより余程浅いラインを保っていて、プレスも十分に利いていた。 そのプレスと高いラインの保持に大きな意味を持っていたのが、画面ではなかなか目立つ事の出来ないポジションの選手達だ。右サイドのディリービオは技術的に秀でた選手では無く、クロスも上手いとは言えない。左サイドのペッソットも同様だ。それでも彼らは一人で任されたサイドの攻守に奔走し、センタリングを上げたと思ったら自陣ゴール前でディフェンスをしていたり、全面に出てくる事は無いけれどチームにとって欠かせない仕事を黙々とこなしていた。そして、ボランチに入ったデシャンとダービッツは、二人でフィールドの半分ずつを受け持っているのかと思わせるくらい精力的な動きを続けて、ディフェンスラインに安心感を与えていた。 ダービッツは類い希な身体能力でボールホルダーのチェックを忘れる事が無かったし、デシャンは恵まれない体躯をもろともせず、フィールドを走り回り声を荒げていた。周囲のディフェンスが甘ければ、容赦なく罵倒している様に見える素振りで大声を出し、間に合わないと思われる様な場面でも必死で体を投げ出す。攻撃面でアクセントをつけられるジダンを擁するからかも知れないけれど、ユベントスの中盤に4人ならんだ彼らは、華やかなプレーを見せる事無く、自らに与えられた職務を全うしようとするふうに見えた。だからこそ、ユベントスはあれだけ効果的なプレスが出来たのだと思う。 負けはしたけれど、僕はユベントスの選手達を見ていて心打たれた。ユーベの選手は皆、チームの為に体を投げ出す事を厭わない様に見え、周囲を鼓舞するデシャンの表情は本当に恐かった。それぞれピッチの上で戦っているのが画面を通してでもこちらまで伝わってきたし、こんなチームとは戦いたく無いだろうなとも考えた。 多分、今の五輪代表でそんな仕事が出来るのは鈴木啓太だけだろう。いや、もう五輪代表では無いか。希にとんでもないミスパスをするし、周囲の技術レベルからは何段か落ちるのも否定出来ない。それでも、味方に向かって怒れるのは闘莉王以外に彼しかいないだろうし、ディフェンスラインを超えて相手の選手を追いかけ続けられるのも彼しかいない。UAEで行われた過酷な戦いを、今野と共に全試合フル出場して代表チームを支えたのは誰だったのか。反吐を吐く程厳しい試合で見せたパフォーマンスは、絶対に嘘をつかない。信じるべきものは、意外と簡単な所にあるのではないだろうか。 大怪我から復帰して、パフォーマンスを取り戻しつつある山瀬。キャプテンとして五輪代表を引っ張ってきた啓太。僕らは、君たちの熱い魂を知っている。悔しいだろう。ふざけるなと云う思いだってあるかも知れない。僕は代表選考に何の力も持たなければ、何の裏事情も知らない。だからどんな理由で代表を離れたかは解らないけれど、そんなすぐには考え方を切り替えられないだろうけれど、それでも是非、その悔しさをリーグ戦にぶつけて欲しいと願ってる。五輪は、達也と闘莉王に任せて。彼らだって、滾る思いを今日の会見で示してくれた。 死ぬような思いをして勝ち取った、五輪の出場権。二人は、それだけで価値がある。そして、もう一度そんな厳しい思いを、Jリーグの舞台で見せてくれ。ウラワを、正真正銘のビッグクラブへと押し上げる為に。五輪の出場権を獲るのも大仕事だったろうけれど、ウラワをJリーグチャンピオンに導く仕事だって、かなりの大仕事だ。どちらかと言えば、僕はウラワの勝利を見たい。そのために、僕も死ぬ気で応援する。こんな奴らは沢山いる、と思う。 ◇風鈴◇ 7.14先々週あたりから続くちょっと度が過ぎた気温の高さに辟易し、我慢という言葉を知らない僕は当然の如く寝る前にエアコンを効かせて布団へ入る。いつもはオフタイマーを1時間に設定して寝るのだけれど、結局夜中に汗をかきながら目覚めてエアコンのスイッチを入れるという作業を数回繰り返してきたから、一昨日の夜ついにエアコンを点け放しで寝る事にした。すると効果はてきめんで、昨日の朝起きると鼻がぐずりはじめ、大きなくしゃみを何度も繰り返した。 鼻がぐずるだけならまだしも、体も怠くなり風邪の初期症状が現れてきて、会社に行くのがとても億劫に感じられてきてしまった。そこは頑張るサラリーマン、何とか精気を振り絞り重い鞄を持って会社へと向かう。そうだ、今は決算期。休んでなんかいられない。というより、休んでしまったら翌日僕の肩にのし掛かってくるものが増えるだけなのだ。 面白いもので、出社してしまうとぐずっていた僕の鼻腔は全く症状を失い、突如平時のそれへ戻っていった。やはり気持ちの問題が大きいのだろう、ちょっと体調が悪くなると暇を頂けないかと欲してしまう僕の悪い癖が顔を出しただけだ。怠さも気にならないレベルになったし、気持ちよく、という訳ではないけれど、表向き張り切って仕事に没頭する。昼食時に、効き過ぎた取引先の冷房に当たりまたもや大袈裟なくしゃみを連発するも、仕事へ戻るとそれも収まったからいよいよ僕の卑しさは全開となる。 でも、家に帰って来るなり三度、風邪をひいたんじゃないか?という問いかけが体のあちらこちらからやってくるから、君たちもやっぱりそう思うと問いかけつつ、これは酷くなる前に何らかの手を打たなければならないなと考え、さし当たって出来ることをやろうと冷蔵庫の野菜室に鎮座している野菜ジュースをおもむろに取り出し飲んだ。更に、何故かまた冷蔵庫にしまってあるビタミン剤を摂取して、風呂に浸かって暖まり急いで布団へ潜り込む。 ただ、大きな問題がそこにはあった。風呂から出て布団へ入ったのは良いのだけれど、何だかんだ言って思い切り暑いのだ。布団にくるまりながら我慢して寝ようと思うものの、額からは汗が滴り落ち、肌着はいとも簡単に湿っぽくなってくる。さっき測った時熱は無かったから、この発汗がそれを理由にしている訳ではない。単純に室温が高く、そこに風呂で得た熱とそれを逃がさない様に踏ん張る羽毛布団によって、僕は意味もなく暖め続けられているのだ。こんなんじゃ眠れる筈がない。 しかし、この体調不良を招いたのは間違いなくエアコンの点けっぱなしに寄るものだから、おいそれとスイッチに手を伸ばす事が出来ない。何とかならないものかと考慮した結果、少しだけ窓を開ける事にした。布団から這い出て暗い部屋の中手探りで窓の鍵を探り、数センチほど窓を開けてみる。そうするとそこからは涼しげな風が部屋の中へと流れ込んできて、不必要に僕の体を覆っていた汗がすうっとひいていくのが実感出来た。さりとて寒い訳でもなく、眠りにつくのには十分な冷気を得て、僕は安心して布団へと舞い戻った。飛び込むくらいの勢いで。 目を瞑るとどこからか風鈴の音が聞こえてくる。どこのどなたかは知りませんが、ありがとう。日本人にとって風鈴の音は、日中に聞く蝉の鳴き声や、夕暮れ過ぎから聞こえてくるコオロギの鳴き声や、立ち上る入道雲や、渦を巻いた蚊取り線香などと同様、刷り込まれた夏の代名詞。寝っ転がりながら風鈴のちりんちりんという音を聞きつつ、ああ今年も夏を迎えたのだな、海へも行きたいななどと考えながら、僕はすぐさま眠りに落ちて行った。 あくる朝はエアコンを使わなかったからか定かではないけれど、至って快調な目覚めを得られた。いい気になって朝食を作ってみたり、朗らかな気分で会社へ行こうと駅のホームに立っていると、ホームの屋根から吊された風鈴が僕の目に飛び込んできた。そしてその瞬間、昨日の夜に聞いた音源が目の前にあるという事を直感した。僕の住む部屋は駅のホームのすぐ裏手にあり、音の聞こえてきた方角からしてもこの風鈴が正体なのは間違いがない。随分気のつく駅員さんがいるものだと感心しながら、多分フットボールの解説者が良く評価軸にするボールの無い所の動きというのは、こういう事なのだと強く感じた。普段は誰も気にもとめないのに、ふと気づけばスペースをきっちり埋めたり、誰もいない所を駆け上がったりする選手。 僕はこの風鈴を付けた駅員さんの名前が、内舘なのか酒井なのか、今の今まで悩んでいる。 皆様にお願いが。勝手ばかり申し上げて恐縮なのですが、上の「サポ選100」の企画を次のサイトさんにまわす時、一つのサイトでお願いします。リレーを増やしたいと、僕が漫然な書き方をしたため解りづらくなってしまいました。企画段階で全く煮詰めないで始めた結果なのですがね…。取り敢えず、今のペースで進んでいけば丁度良いあんばいになりそうです。ご協力頂いているサイト様、これからご協力を頂くであろう多くのサイト様、有難う御座います&宜しくお願いします。 ◇サポーター100選◇ 7.13語る会が終わった後、JOEさんと会って上の企画の今後を相談した。このままだと進みが遅くてセカンドステージがはじまっちゃいますね、なんて話をしていたら、枝を増やしてもっと多くの人に書いて貰おうと助言を貰ったので、一応自分でも作業してみた。で、週があけて怒濤の忙しさに放り込まれ、全くWEBを見ていなかったらいつの間にかJOEさんの所が更新され、とてつもない方々にまで企画をまわしてくれていたり、上のリストに大幅に書き込みがあったり、始めのリレーも着々と進んでたり、思ってた以上に色んな事が早足で動いていて吃驚した。 一応僕の所で企画に参加して頂いたサイト様は記録して一覧にしているのだけれど、これからあっちこっちに飛び火しだすと見落としも出てくるかもしれないので、その時はご一報を。何とか毎日巡回して、一覧に追加していきたいと思ってます。セカンドステージ開幕まで、あと約1ヶ月。ウラワサポのパワーを発揮して、それまでに100個の文章が出そろえば、それはまた凄い事です。こちらからもお願いをしますが、「やってやろうじゃないか」という方はどんどん参加して下さい。思い出に残る試合は、沢山あるでしょうから。 ※やれるだけやります>JOEさん ◇語る会◇ 7.11語る会を見るために、一路ウラワへ。試合の時には臨戦態勢に入っているから気にならない、川崎にある家からの距離も、この日はやっぱり遠く感じる。幸いにして京浜東北線の車中は空いていて、難なく座る事が出来たから眠ってしまおうかとも考えたのだけれど、こういう時に限って睡魔が襲ってくる事もなく、仕方なしに鞄から文庫本を取り出して読む。出掛けにひょいと適当に本棚から抜き出して持ってきた文庫本は、思っていたより何倍も面白くて、すぐさま僕はその世界へと入っていった。どんどん読み進める内に、気づけば電車は東十条を過ぎていて吃驚した。本に対する集中力を少しだけ弱めて、ウラワを通り過ぎない様に留意する。 無事乗り過ごす事無く浦和駅に降り立ち、西口で知人と待ち合わせ。少し早めに着き、夕食を摂ってから会に行こうという算段だ。須原屋からほど近い蕎麦屋にて蕎麦を啜りながら、いつもの様に知人とウラワ談義に花を咲かせる。坪井の怪我はあったけれど、取り立てて大きなニュースのないこの中断期間だというのにも関わらず、僕らのウラワ談義はネタに事欠かない。ウラワサポなら誰でも同じようなものだろうけれど、これって結構凄い事じゃないだろうか。外装も内装も極めて平凡な蕎麦屋で食事を終え、支払いの為に奥にあるレジへと向かう最中、壁をちらと見れば、ウラワのポスターが何事も無かったかの様に平然と貼られている。何の変哲もない食事処だろうと、レッズとの関係を明に暗に表現している。ウラワでは当たり前の風景。ウラワに住居を持たない僕にとって、いつも驚きと羨ましさを感じる。 蕎麦屋から埼玉会館は歩いて5分程度。会場に着くと初めての土曜日開催という事もあってか、かなりの賑わいで当日配布の整理券を配っている場所にも少しだけれど列が出来ている。実は、恥ずかしながら語る会に参加するのは初めてで、こんなにも人が集まるものだとは思いもよらなかったから、少なからずカルチャーショックを受けた。ウラワって、知れば知る程奥が深いクラブだと思う。僕は現在川崎市民だし、出身地もウラワでなく所沢だ。埼玉県人としてウラワを応援し始めたけれど、結局の所クラブが設立される前から活動していた“浦和市”の先達がどれ程の事を成しているのか今でも全貌は掴めない。浦和市街を歩くたび、毎度感じる事だ。 会場の右端に陣取り、煙草を一本吸ってから席に着くと程なく会は定刻通りに始まった。緞帳が想像より速いスピードで上がっていくと、ステージにはいつもの司会氏と犬飼社長が並んで座っている。話の内容は際だって面白いものは無く、静かに滑らかに会は進んで行った。司会氏が発する余り面白いとは思えないジョークに、会場は結構な反応を示すから、一々それに違和感を抱きつつ成り行きを見守る。レッズランド構想の話が出た時は僕も身を乗り出した。余りにも壮大な計画に、資金源や工期など真面目に実現可能なのかと訝しがる自分がいて、それでもこれが本当に完成して運営が軌道に乗れば凄い事が起きるとも思った。 1部の終わりに、サポから質問を受け付ける時間があって、そこで「塚本氏時代の長期計画はどうなったんだ?」という質問が出た。司会氏は答えに窮するというか、惚けるというか。社長も苦虫を噛み締めた様な顔つきで「昔の事は知らない」と答え。この辺りに磐田との差をまざまざと見せつけられた思いがしたのだけれど、何とか森さんも含めて長期的な“フットボールクラブ”としての展望を僕らに見せつけて欲しいものだ。 2部に入ると、日経新聞の記者が司会進行役となり、ギドと森さんを交えた具体的な話へと突入する。内容としてはそれなりに面白かった筈。ただ、話の長いギドのドイツ語が耳にとても優しくて、どうやら僕は2部の半分近くを眠りながら聞いていたらしい。だから、電車の中で眠ってくれば良かったんだと思っても遅い。鼾をかいて周りに迷惑を掛けなかったか、それだけが心配だ。会場の左隅にあるデジタル時計を見れば、もう20時35分。会は終わりに差し掛かっていた。 会の終わりにキャプテンが挨拶するのも恒例だそうで、お前はそんな事も知らないのかと怒られそうだけれど、選手をこんな至近で見られる事もそうないから、僕の眠気はあっという間に吹き飛んだ。その刹那、花菱のスーツに身を包んだ、どこぞのヤンキーだか解らない様に見えるうちのキャプテンが壇上に現れた。片足体重で立ち、とても来年30才を迎える人間とは思えない出で立ちに僕はひっくり返りそうになったけれど、鹿爪らしい、彼には似合わない挨拶にこれまた吹き出しそうになってしまったけれど、やっぱりどこかに決意みたいなものが感じられ、頼もしくも感じた。表現はどうでも良い。僕は勝利する姿を見たいだけなのだ。 今日もまた、ウラワの街が持つクラブとの一体感を感じ取った。他のJリーグのホームタウンでは絶対に感じられない、ウラワ独特の匂い。フットボールクラブがある街として、本当に最高の街だと思う。激しい思いを常に見せる訳ではなく、厳しい表現を繰り返す訳でもない。そこにあるのが当たり前と、愛するのが当然と、優しくクラブを包み込む街。ウラワは本当に幸せなフットボールクラブだ。だからこそ、もっともっと峻烈に勝利を目指すクラブへと、変貌して欲しい。運営面では永続的な努力をしてきているのも知っているし、ハード面でもここ数年で急速に進化してきた。でも、僕が望んでいるのは美しく勝つクラブなんだ。語る会に来て、ウラワの街を歩いて、様々な思いに頭があっちこっちへと揺すられた。試合を見た訳でも無いのに、何だかとても頭を使ったらしく疲労を感じた。やっぱり僕は頭を使うのが苦手なのだ。早く、駒場の手摺りに掴まって叫びたい。 ◇悩み◇ 7.10ここ最近続く圧倒的な忙しさと、二日間続いた接待によって僕のプライベートは殆どその意味を無くし、昨日の夜代表戦が行われていた事実すら知らずにいた。僕がそれを知ったのは、深夜遅くに帰宅してからだった。出来るだけセーブした積もりだった筈の酒量でも僕の意識を濁らせるには十分な量だったらしく、玄関を上がりネクタイをゆるめながら聞いた妻の話を理解するのに、数分の時間を要した。今日あった話を伝える妻の口調は、どことなくいつもより厳しさを含んでいる様な気がする。僕の帰りが遅かったからか。仕方が無いじゃないかこれも仕事だ、なんて思ってもいない言い訳を思い浮かべつつ、耳から流れ込んでくる話がこぼれ落ちないように意識をそちらへ向ける。代表は3−1でスロバキアに勝利したとか、今日のキノコは久しぶりに毒キノコじゃなかったとか、坪井が怪我をしたとか。 アルコールによってすっきりしない頭を必死に覚醒させ、伝えられた事実を反芻する。そうか、代表の試合があってそれに日本代表は勝利したのか。それは良かった。俊輔のプレーも切れていたのか、ふーん。坪井が怪我をしたのか、へえ。 うん? 坪井が怪我をしただって? 頭の中に並べられた事実を一つ一つ追いかけて理解していく作業を続け、そこまでは滑らかに進んできたというのに、僕の思考は急停止を余儀なくされた。深夜遅い時間だと言うのに、それ程夜が強くない筈の妻が憤っていた理由はそこにあったのか。更に聞くと、坪井は相手選手と接触し後ろから押し倒された様な格好でバランスを崩して、太ももの裏側、所謂ハムストリングを痛めたらしい事が解った。というか、何故今日の試合に坪井が出場しているんだろう。股関節を痛めてオールスターゲームを辞退していたのでは無かったっけか。突然突きつけられた厳しい現実に、僕は慌て、Yシャツを脱ぎ捨てたままにしていそいそとPCへ向かった。 ネットにも詳しい情報は落ちておらず、少なくとも坪井が太もも裏側を負傷して、それは肉離れの疑いが強い事、アジアカップは厳しいだろうという事など、断片的な情報が掴めただけだった。ウラワのディフェンスは去年から呪われたかの様に怪我が絶えず、そんな中でもクラブ・代表とフル出場を続けてきた坪井は、筋組織が柔らかそうでそういった怪我とは無縁だと考えていたから、セカンドステージに向けて描いていた青写真に真っ黒な墨汁をぶちまけられた様な感覚に陥り、僕は暗澹たる思いに打ちひしがれた。アルパイの加入で強固なディフェンスを構築出来ると信じていたし、その中心に居る一人が坪井なのだから、ウラワが受ける衝撃は大きい。 まだ、坪井の怪我がどんな状況か解らないけれど、仮に肉離れとなれば早期の復帰は難しいだろうし、五輪組が居ないセカンドステージの序盤、ウラワはいきなりとても厳しい戦いを強いられる。もしこれで、セカンドステージの立ち上がりから横浜の久保が大活躍をしようものなら、僕の憤りを収める術は何もない。代表の試合が最も重要だなんて発言は最も詭弁で、僕にとって何よりも重要なのはウラワの勝利だ。代表が勝とうが負けようが、それこそどうだって良い。多くの人が同じ考えを持っているとは思わないけれど。 選手にとって代表に選出されるのはとても名誉な事だし、それを引き留める権利は誰にもない。勇んで国を背負って戦う彼らに対して、誇りの感情さえ持つ。ただ、現実として選手に賃金を支払っているのはクラブであり、選手のフィジカルコントロールの優先権はクラブにあるべきだと思う。今回の件がどんな理由によって導かれたのかは知る由もないけれど、雇用契約しているクラブが選手を貸し出し、貸し出した先で故障してクラブへ戻ってきて、その故障が原因となってクラブが選手を使う事が出来なくなるのは、どうしても腑に落ちない。これが最も重要とされるワールドカップ予選や五輪の本大会ならいざ知らず、勝ち負けの影響が極端に小さいいわば親善試合の様なものだったから、余計にその思いは強くなる。ウラワは、セカンドステージに優勝をしなければならないのだ。坪井が負った怪我により噴出する影響の、責任は一体誰が取るのだろう。 最近、クラブと代表の関係性について思い悩む事が多い。強豪国と呼ばれる国々がさっさと敗退していくユーロを見ていて、その悩みに一層拍車が掛かった。イングランド、フランス、スペインやイタリアが見せた低調なパフォーマンスは、訝しがってみれば彼らは果たして本気であの大会に臨んでいたのだろうかとさえ思わせる。クラブの日程が過密になり、代表合宿もままならずコンディションや連携があげられない等と、彼らの敗退した理由がまことしやかに囁かれてはいるけれど、その実選手達はセルフコントロールをしているのかも知れない。自分の立ち位置を冷静に判断し、どこで最高のパフォーマンスを見せるべきか、怪我を負わない様にするべきか、勝手に考えて行動しているのかも知れない。 それが正しい方向性なのか、僕には判断が出来ない。ただ一つだけ言えるのは、代表を蹴ってまでウラワの勝利の為に戦ってくれる様な選手がもし居たとしたら、そんな選手を僕は思い切り愛するだろうという事。綺麗事は幾らでも言えるけれど、実際人の気持ちなんてそんなものだ。日本からは想像も出来ない程の長い歴史を持つ、欧州のクラブをサポートする人達は、一体どんな考えを持って代表チームに対峙しているのか、最近そんな事ばかりが気になる。 ◇あと1日!◇ 7.8更新頻度が命のサイトなのに、ここの所サボりがちになってしまっているからか、「生きてるか?」なんてメールを頂いたりしている今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。ただでさえ忙しくなってきている日常に加え、今日、明日と接待が続き、だいぶやられ気味です。日中はあり得ない程の気温が、営業マンの体力をどんどんと奪ってくれますし。 という訳で、今日もこんな感じで終了です。土曜日は語る会に行く予定にしていますので、早く明日一日が過ぎ去ってくれないかと切に願っています。はあ。 ◇長谷部誠 その2◇ 7.6僕が個人的な強い思い入れを抱いて見ているからかは判らないけれど、最近日常生活の中で、長谷部のプレーを思い浮かべている時間がとても多い。何かに熱中している時間、それは食事だったり、読書だったり、仕事だったりするのだけれど、それ以外のぼうっとする時、頭の中で展開されるシーンは最近決まって長谷部が背筋を伸ばしてプレーしている姿なのだ。開幕前にもここでちらっと長谷部について書いた事があった。今年は、彼にとって飛躍の年であって欲しいとか、そんな類の話だったと思う。 ファーストステージを終えた今、改めて彼のプレーについて考える。もはや、長谷部はフィジカルの弱い技術的に優れた線の細い中盤のテクニシャン、などという形容が当てはまる存在では無くなり、ウラワの攻撃を形作る上で欠かせないピースとなった。相手に体を当てながらボールをトラップし、バランスを崩さず事も無げに前を向く。簡単なフェイクで相手ディフェンスをするりとかわしてドリブルに入り、一気呵成に速力を上げてあっという間に相手ゴール前へと侵入していく。ゴールが近づけば、詰め寄る相手を出来る限り引きつけ、味方にとっても厳しいだろう切れ味鋭い容赦のないスルーパスを通す。若いウラワの中にあっても更に若い長谷部だけれど、そのプレーぶりは既に円熟味を感じさせる様にすらなってきた。 昨年は、若さ故か試合中に熱気を帯びるのがスタンドからでも容易に判別出来て、無駄な警告を受ける事もあった。しかし今年は、そこまで暴走する事も少なくなり、警告を受けるよりも相手に警告を出させるプレーが増えてきた。序盤から飛ばしすぎて後半体力が保たなくなったり、試合毎にプレーの質が変わってしまう様な側面もあるけれど、そんな事は小さな事と思わせるくらい彼のプレーはウラワの中で際だっている。 フットボールは基本的にチームプレーの集積であり、その歯車が少しでも狂うと思い描いた戦いが出来ない。だから戦術的な煮詰めはチーム作りに必要不可欠で、組織だった攻守が堅固なチームを生み出す。ただ、こと攻撃に関しては、どうしても選手個々の力量に頼る場面が出てくるのは間違いなく、得点を奪おうとする際にはウラワのフォワードが持つ高い個人能力が大きな意味を持ってくる。そして、幾らフォワードの能力が高くても、彼らにチャンスを与える回数が少なければそれだけ得点機は減る訳で、その回数を増やす事の出来る長谷部の存在は、ウラワの優れたフォワード達を生かすために必須なのだ。 中盤でボールを落ち着かせる。ディフェンスラインからゆっくりとビルドアップする。長谷部がより多くボールに絡む事が出来れば出来る程、ウラワの攻撃は厚みを増し、相手に与える威圧感が増す。どんなに厳しい体勢でも、一度ボールを受ければアイデア溢れる体の使い方で、高い確率でボールを前方へ運び出す技術を持っている長谷部は、周囲の選手達にとっても頼もしい存在となっているだろうと、僕は勝手に想像している。ウラワのフォワード達は、いずれもそれ程体躯に恵まれている訳ではなく、空中戦に関しては脆弱と言って良いだろう。そんな彼らを生かすためには、チームとしてポゼッションを上げて、絶妙のタイミングでパスを渡す必要がある。それは相手の裏を取る様なパスであったり、彼らが相手ディフェンスと勝負出来るタイミングで出すくさびのパスだったり。その大半を、長谷部に任せてみたい。彼を使う代わりに、ディフェンシブなミッドフィールドの選手を二人置いたって構わないでは無いか。ACミランにおけるピルロの如く。 長谷部自身の言葉からも、彼がシュートや得点に対しても貪欲なものを持っているのは解る。ミドルレンジからのシュートも増えてきた。ただ、彼のプレースタイルは前線へ何度でも飛び込んでいくものでは無く(例えば山瀬の様な)、もっとチームをオーガナイズする様なそれだと僕は認識している。得点に対する欲求を薄れさせる事無く、本当の意味での司令塔になって欲しいと僕は願っている。こういった才能は、欲しても得られるものではない。それは一選手としても、チームとしても。長谷部の様な才能を持てるチームは幸せであり、長谷部自身もその希有な才能を有する事をしっかりと理解して、ウラワの攻撃を司る存在として大きく羽ばたいて欲しい。フィジカルの強さばかりが強調される最近のフットボールにおいて、美しいプレーを魅せられる存在はそれだけで貴重だ。 今でも十分ウラワのコンダクターとしてその才能を発揮している彼だとは思うけれど、もっともっと、彼を経由する攻撃のコンビネーションを増やして戦ったら、攻撃の圧力はとてつもなく増すだろうなと、ひとりごちた。明日からも、暇な時間さえあればいつだってそんな事を考えるだろう。グラウンドに屹立する、ウラワが誇る才能を頭の中で思い描くだろう。 ◇近況報告◇ 7.5今日の午後9時50分くらいから、先ほど午後11時45分くらいまで、このサイトを置いてあるサーバが落ちてしまって全く接続出来ない状況が続きました。その間にアクセスして頂いた方、申し訳ありません。まあ、とっても懐に優しいレン鯖なので、今後もこういった事が希に起こるかも知れませんが、余り目くじらを立てる事のない様お願い致します。 相変わらず仕事は殺人的に忙しく、物理的な仕事量が半端じゃなく多いという訳ではないのですが、数字を追っかけなくてはならないので精神的なプレッシャーが大きく、ナイーブな僕はいつでも押しつぶされそうです。今後2ヶ月弱、更新が滞る事も増えるかとは思いますが、どうか見捨てる事無くお付き合い下さいませ。 ◇金曜の夜に◇ 7.4金曜日の夕方、取引先のビルから一歩出た時に思い出した。今日、等々力で試合があるという事を。僕が毎日使っているJRの駅構内にポスターが貼ってあり、確か今日は秀樹がやって来るのだとか。まあそんな事はどうでも良いのだけれど、ウラワの試合が当分無くフットボールの試合から離れてしまうから、可能ならば行こうと考えていたのだった。赤煉瓦で外装を葺かれた建物を背に、腕時計へ目を落とすと時間は終業時間を少し回った所だった。金曜日という事もあり、鬱憤が溜まってきている事もあり、よしと肯いて正面に見える聖橋に踵を返し、一旦ビルの中へ戻り裏口から出る。会社のボードに「N・R」と書いておいて正解だった。 裏通りの坂を下り、日本大学の校舎を右手に見ながらその先を右へ折れると、正面には山の上ホテルへと続く上り坂が目に入ってきて、その遠く向こうへと太陽が徐々に落ちていこうとしている所だった。僕は少しだけ早足になり、神保町へと坂を下っていく。歩きながら考える。先日行った川崎対仙台の時は、土曜日だったけれど観客は1万人程度だったし、今日は平日開催なのだからそれ程お客がやって来る事も無かろう。ぎりぎりに到着しても、問題なくメインスタンドに席が取れるだろうし。ウラワの試合とは違ってゆったり見られるのが、等々力の魅力でもあるからな。三省堂を過ぎ、僕は神保町駅A5の入口から地下へと潜り、都営三田線の客となった。 武蔵小杉から直行バスが出ているとは露程も知らず、間に合いそうもなければ小杉からタクシーに乗れば良いかと考えていたから、ロータリーに降り立った時に見えた行列が何の理由によってなのか、列の中に水色のレプリカが無ければ気づかなかったかも知れない。へえ、川崎でもこんなバスを運行しているんだ。やって来た銀色に赤いラインの入ったバスに乗り込むと、後ろから続々とお客が押し寄せてきて、あっという間に車内は満員となってしまった。試合開始直前だからなのか、想像以上の混雑に僕は少し混乱していた。 今日思いついてやって来たのだから、チケットを持っている筈も無い。等々力公園の中まで入り込んで僕を驚かせたバスを降り、競技場へ向かう最中ダフ屋さんから声を掛けられたけれど、一応これでも真面目にフットボールを愛しているのだと自分に言い聞かせ正規の当日券販売所へと急いだ。定価よりも2割ほど安い値段を連呼するオヤジの声に、後ろ髪を引かれながら。 等々力公園の中は植樹された樹木に覆われ、日中でも薄暗い感じがするのだけれど、今はもう殆ど真っ暗と言って良いくらいにまで日が傾いていた。競技場の方からは歓声と打ち鳴らされるドラムの音が聞こえてきて、ウラワと比較すれば何万分の一以下しか思い入れの無いクラブの試合なのに、何故だか心が高ぶってきた。太陽は地面の下へ顔の大半を隠し、辺りを照らすのはスタジアムの照明灯であり、そこへスタジアムからこぼれてくるサポーターの歓声が混ざり合って、周囲はとても良い雰囲気に包まれているのだ。ウラワに限った話ではない、フットボールの試合は非日常であって、大なり小なり日常の嫌な事や重たい気分を払拭してくれる貴重な存在なのだと、気づいた。 チケットを購入し、既に試合が始まって数分経っているスタジアムの中へ、何かに急かされる様に早足で進む。公園内の池に面したホーム側のゲートをくぐり、短い階段を駆け上がるとそこには全く予想だにしなかった光景があった。二階席も開放され、ぐるり見渡すとどこもかしこも人で埋まっている。こんな等々力競技場を見たのは初めてだ。勿論、超満員という訳では無いけれど、普段人が居るスペースの方が小さいくらいの客入りだから、少しあっけにとられてしまった。自由席扱いであるメインスタンドはほぼ満席で、ホーム側のゴール裏からバックスタンドにかけても殆ど埋まっている。アウェー側は空席が目立つけれど、試合も始まってしまっているし、自分の居る所からはとても遠いから、仕方なしにゴール裏とメインスタンドの間にあるスペースで立ち見をする事にした。 後から知った事だけど、この日の入場者数は何と1万8千人超。そのうちの何割かは、ハーフタイムに登場して勝手に盛り上がっていた秀樹目当てだったらしい。仮に、ウラワの試合でこんなイベントをやられたらどうなるだろうか。ホームではまずあり得ないけれど、アウェーだって下手をすれば大ブーイングが起きかねない。でも、こんな導入もありなのかなとも思う。秀樹は川崎市在住らしく、川崎のタオルマフラーを片手にサポーターを煽り、サポーターもそれに乗っかって大騒ぎになっていた。とても牧歌的な光景で、殺伐としたウラワの雰囲気とは正反対のものだったけれど、これを機会に地元にあるフットボールチームを知れるだけでも十分なのではないかと考えた。 多分、興味の無い人達にとってフットボールの試合などそれこそどうでも良いイベントなのだし、普段の観客数を考えると、フロンターレがどんなフットボールをしているのか全く知らない川崎市民が多数いるのだろう。ウラワの様に、商店街を歩くだけでその日の勝敗が解る様な街はまだ日本には殆ど無いし、やっぱりそんな街が増えてくれた方がフットボール好きにとっては嬉しい事だ。 ピッチで繰り広げられるフットボールは、幾ら川崎が独走しているとはいえJ1のそれと比べると一段も二段もレベルが落ちるし、細かなミスも沢山ある。お客さんは駒場に近い数字が入っていても、実質的に応援してる人数はとても少なく、声も小さい。ウラワと比較するなど10万光年早い。ただ、こうして週末に地元のフットボールクラブが主催する試合へと足を運び、普段全く関わりのない同じ街に住む人達と、自チームの勝利を一緒に願う時間は、実はとっても大切な何かを思い出させてくれるのではないかと最近感じているのだ。ここに親と一緒に観戦に来ている子供達は、次の月曜日に同じ体験をした子供達とその話に花を咲かせるだろう。例え、親会社の指令で仕方なしに見に来た様な会社員の人だって、もしかするとこの試合を見る事でフットボールの面白さに気づくかも知れない。 小さな積み重ねが、地域に根付くフットボールクラブを成長させる。たまたま、見に来た人が一気に入り込んでしまう可能性だって十分にある。だから、プロの選手は手を抜くなんていう事が許されない。自分たちのパフォーマンス如何によって、その一人が次も見に来てくれるかも知れず、また、その知り合いを呼んできてくれるかも知れないのだから。川崎は大きな街だし親会社もしっかりしているから、クラブに与えられる可能性は大きく、もしかするとより大きな存在へと進めるかも知れない。だったら、どんどん集客を増して、大きなクラブへと変貌して欲しいと心から願う。 敵はその存在が大きい程、潰し甲斐があるから。大きな大きな存在のクラブが、もっともっと日本中に増えて欲しい。追いついて来い、ウラワに。 ◇セカンドステージ◇ 7.2満足かと言われれば、そうでは無いと答えるしかない。しかし、不満かと問われたならば、そうでは無いと答えるだろう。ファーストステージ、ウラワは3位という成績をいわば勝ち取り、新人監督に率いられたチームは紆余曲折を経ながら徐々に成長を見せてきた。今までもこんな時期があった様な気がするし、そしてそれを継続できなかった経験のみ僕らは持っている。 ギドはヨーロッパの人間らしく、そう軽々と「目標は優勝」などと口にする事は無い。上位に留まり強豪と呼ばれるクラブにしたい、と彼は常々言っているし、その目標に対してどうこう言う積もりもない。ただ僕は、自分の中で気持ちに整理をつけておきたいと考えている。ウラワはこれまでリーグ優勝を一度もした事の無い、ある意味経験の少ないクラブであり、優勝争いをした回数自体、クラブの大きさを考慮に入れると極端に少ない。だから、選手やクラブスタッフは勿論の事、サポーターだって優勝を争う時期になると途端にナイーブになってしまう。因みにナイーブとは褒め言葉で無い。 今年は、オフトの1年目から数えれば、塚本さんの強化が始まった年から数えれば、3年計画の最終年。間違いなく、優勝を勝ち取れる位置に居なければならない年だ。ファーストステージでは中盤に調子を上げてぐっと上位に食い込んだけれど、やはり終盤にきて失速し3位に止まった。お世辞にも、優勝を争ったとは言えない結果だ。これ自体、シーズン前から考えれば十分過ぎる結果だとも僕は考えているけれど、逆に言えばセカンドではもっと上の位置を目指して欲しいし、それもシーズン前から考えていた事だ。 新人監督とコーチの戦術がある程度浸透し、新たに加入した力のある選手たちも漸くフィットしてパフォーマンスを発揮する様になった。高いレベルで安定した力を出せているかというとそれには疑問符がつくけれど、今のウラワが好調時に見せる試合内容は驚く程素晴らしいものだ。あとは、如何にそのレベルを保ったままシーズンを乗り切れるか。そこのコントロールが上手く行けば、ウラワがリーグタイトルを獲る可能性は決して低くないと思っている。 イビチャ・オシムに言わせれば、ウラワは全てが揃ったチームなのだそうだ。それでも勝てないとも言われているけれど。大きな専用スタジアム、リーグ屈指の集客力、サポーターたちの突出した応援、個人スキルの高い選手達、そして、スピードに乗ったら手の付けられない圧倒的な攻撃力。今、最も世界に近い存在であるウラワ。足りないのは、リーグタイトルと、リーグタイトルを獲る為のノウハウだ。 そのノウハウは、決して他から与えられる様な類のものでは無く、結局自分たちの力で勝ち取るしか方法は無い。今までの僕だったら、最終的に3位に滑り込んだウラワに少なからず満足感を得て、きっとセカンドで同じような位置に納まったとしても不満をぶちまける様な事は無かったと思う。ただもう、きっとそれでは駄目なのだ。ウラワに残された選択肢は一つしか残っていない。最終節まで優勝の可能性を残した戦いを、しなければならないと思う。僕は今期のセカンドステージ、実力者のストッパーが加入して更なるレベルアップが考えられるシーズン、優勝する事のみを考えてサポートに勤しみたいと考えている。その殆どがホームと関東アウェーで占められる15試合、ここで勝たなくていつ勝つのだと。 ◇色々とお知らせ◇ 7.1えー、まず一つお知らせが。このサイトのメールフォームに使っていたアドレスの使用期限が切れまして、現在メールを送れない&受けられない状態になっています。先月末で契約が切れるのをすっかり忘れていまして、何も手配出来ていない状況です。取り敢えず、今新たにメールアドレスを作っている最中なのですが、サーバに反映するまで数時間かかるので、今日の更新には間に合いませんでした。僕にメールを送りたいという奇特な方は、明日の深夜までお待ち下さい。それまでには作業を終わらせます。 あと、一昨日何気なく始めた企画は、にゃんたさん、紅い雪だるまさんの素晴らしい行動力と文章力によって、恐ろしく早いスピードで展開中です。また、JOEさんから色々と提案を受けまして、ウラワ系サイトの管理人様方が「この企画に参加させろ!」という意思表示の出来る掲示板を用意しました。上のバナーから入れますので、是非ご活用下さい。また、JOEさんからはバナーの色遣いについて思いっきり駄目出しをされましたが、気にしてません。本当に。 図らずも順調に進み始めたこの企画、余りにも思いつきの要素が濃かったのにも関わらずなめらかなスタートが切れたのは、ひとえにウラワ系サイトの管理人方々が持つ特有の優しさというか、仲間意識の強さというか。本当に100まで進めるかは兎も角、みんなで辛く、苦しく、楽しい思い出話に花を咲かせましょう。 という訳で、決算月が近づき、そろそろ会社から無理難題を無数に押しつけられる時期がやってきました。年々その時期が早くなってきているのは気のせいでしょうが、僕の仕事量は確実に増え、自分の時間は思いっきり減りつつあります。サイトの更新もままならず、ともすれば「今日は面倒だから良いか」などという下向きな心根に落ち込んでしまう事も少なくありません。だので、そんな時に皆さんからの熱い励ましメールなどを頂けると、僕のやる気も増して更新頻度が上がるかも知れません。どしどし、メールを下さい! そうだ、メールは使えないんだった・・・ |