◇哲学◇ 11.30
個人的に、サッカーに於いて“哲学”はとても重要だと思っている。前日本代表監督のトルシエは、この言葉を頻繁に使っていたけれど、それは自分が思い描くフットボールの形を表現する一つの大きな手段だからだろう。プロフェッショナルな監督ならば、どんな監督でも彼らなりのフットボールを持っている筈で、クラブは自分たちのビジョンに合った監督を選び、そして選手を補強していく。そういう過程で、クラブの強化は行われると信じているし、僕が知りうる範囲でなら、それが出来ているクラブが強化に成功している。
例えば、リーガエスパニョーラのFCバルセロナは、この十年間ウイングを置いたシステムを基本的に用いて、両サイドを広く使ったフットボールをしている。また、基本的にパスゲームを好む戦術だから、グアルディオラの様な選手が重用されるが、それは偶々彼を獲得した等という事ではなく、カンテラから一貫したシステムで彼の様なプレースタイルの選手を作り出しているからなのだ。現在でも、チャビやジェラール・ロペスの様な選手が生まれて来ているし、それは今後も続くだろう。また、ウイングを重要視しているのもバルセロナの特徴で、今年もリカルド・クアレスマを補強した事からも判る通り、今でも同様の考え方でチームの運営がなされている。ここ数年、バルセロナは補強の度重なる失敗や、金銭的なトラブルなど問題を抱えて結果を残せていないけれど、それでも自分たちのスタイルに重きを置いているし、それは問題がクリアになればすぐに、トップフォームへ戻れる可能性を高くしていると思う。そして、バルセロナの場合は、サポーターも含めた周りの環境が、どんなに結果が出なくとも、美しくプレーするバルセロナを求めている。
逆に、セリエAのインテルミラノなどは、性急に結果を求める余りに、常に不安定なフットボールを繰り返している。あれ程創造性溢れる選手を擁しながら、エクトル・クーペルを監督に任命してしまう所に彼らの特徴が現れているし、勿論クーペルは素晴らしい監督だと思うけれど、彼の哲学はインテル程のビッククラブに相応しいものでは無いだろう。クーペルは確かにバレンシアで華々しい成功を収めはしたが、それがインテルでの成功に繋がるとは限らない。攻撃的なインテリジェンス溢れる選手達を、そのままバレンシア時代のサイドアタックを重視した高速カウンターサッカーを当てはめようとする事自体、間違っていると言えるのではないか。インテルの迷走は、彼の後任にアルベルト・ザッケローニを選んだ所で明らかだ。カウンター型の監督から、攻撃的でポゼッションサッカーを志す監督へ。クラブにもう少しだけ哲学があれば、こういう選択にはならないだろう。
Jリーグでも、同様の事が言える。磐田や鹿島は言うに及ばず、最近めきめきと力を付けてきた市原もまた、クラブの良い姿勢が窺える。今期、イビチャ・オシムの“走るサッカー”で一躍脚光を浴びたジェフだけれど、別に今年になっていきなりチームが変わった訳ではない。ベルデニック・ベングロシュといった名将が基盤を作り、彼らの持つユースチームからは常に良い人材が供給される。また、自分たちのスタンスに沿わない選手は、どれほど実力が高かろうと放出する潔さも持ち、山口智・酒井友などは驚く程素早い判断で他チームのユニフォームを着る事になった。他に、自前のユースから上がってきたレギュラー選手を、いとも簡単に放出出来るクラブがあるだろうか。そして、レギュラー選手が外に出て行っても、また次世代の若手が出てくる。観客動員は少なく、経営としては厳しい状況が続いているものの、こうしたきちんとしたビジョンを持ち、今年の様な好成績を続けていけば、ジェフの未来はそれ程暗くないものと思われる。
フットボールで安定した強さを持つ為には、気の遠くなる程遠大な時間が掛かる。そして、少しだけ強くなっても、それが崩壊するスピードは作り上げるそれとは比べものにならない程早い。だから、クラブははっきりとしたビジョンを持つ必要があるし、それに伴った監督選びや補強をするべきだろう。サポーターだって、それは凄く小さい一つかも知れないけれど、声を出していくべきだし、それが一体となって初めて、フットボールクラブの“哲学”になっていく。
◇オランダスタイル・その4◇ 11.29
オフトは欧州の優れた監督と違わず、きちん?†††??とした哲学を持ち、それをチームに浸透させる事によって強化を続ける理性的な監督だ。チームを掌握すると、まず絶対的に足りない個々のテクニックを磨き、続いて戦術的なスキルを徹底的に植え付ける。どんな監督でも一番始めに手を付けるディフェンスでは、最もソリッドなマンツーマンという戦術を与え、選手に責任感を持たせた。チームはピッチを広く使いながらポゼッションを上げ、試合をコントロールしながらスピードのあるフォワードに1対1の状況を多く提供し、得点機会を増やしていった。オフトの手法は、突然チームががらっと変わるようなものではないし、彼自身今年の好調を継続の賜物だと言い切っている。これが、チームの外側にいる人間に対して解りにくさを与えたし、軋轢も生じただろう。それでも彼のチームは、大変遅い歩みながら、彼の哲学が浸透する毎に進歩して行った。
オフトの哲学は、優れたテクニックでボールポゼッションを上げ、常に相手を支配しながら試合をするというものだ。これはオランダ人としては至極当たり前の考え方で、攻撃の時間を増やす事で得点機を増やし、失点の可能性を低減する。簡単に言えば、攻め続けてボールをキープし続けて、相手に攻撃をさせないフットボールが、彼の哲学だ。
ただ、これには選手のスキルが大変必要になるし、就任1年目は後方からのビルドアップもままならない時も多く、逆にディフェンスに回る時間が増え、それが能力の高いフォワードを孤立させる回数を増やし、前後分断サッカーなどと揶揄される事もあった。2年目になると多少選手が入れ替わり、引き続きの選手もスキルが徐々に向上して、オフトの哲学を表現出来る時間が増えてきた。ボールを支配する時間が増え、それにより前線の選手も良い状態でボールを受けられる様になり、全体がコンパクトに出来た試合ではそれこそ面白い様に得点を重ねられる様になった。
今でも、相手に退かれてガチガチに守られると、とても苦悩するウラワの姿がある。対応策を提示出来ない所に弱さがあると指摘する向きもあるけれど、それは正しくもあり、間違ってもいる。恐らくオフトには、退いた相手に対する時のみ有効になる方策は持っていないと思うし、逆に今のフットボールの精度を上げて行けば、そんな対応策は必要ないとも考えているだろう。パスのスピードがもう少しだけ増して、判断のスピードがあと少しだけ早くなれば、そしてセットプレーのキッカーを補強できれば、ウラワはとてつもなく楽しく、とてつもなく強いチームへと変貌を遂げただろう。そう、ちょうど74年ワールドカップに姿を現したオランダ代表の様に、水面下で続く強化が、突然目の前に現れるが如く。
ウラワには、トータルフットボールの国オランダ出身の監督と、正にそのトータルフットボールをプレーしたコーチがいたし、そして本来なら、あと1年の時間が残されていたのだから。
◇お知らせ◇
このページの一番下にオフトへのメッセージコーナーを設けてましたが、これは30日の午後11時59分をもって閉じます。そして、来週中にはオフトとコンタクトを取り、日本を離れる前に渡したいと考えています。宜しくお願いします。
◇オランダスタイル・その3◇ 11.28
クライフとミケルスは、トータルフットボールを現実のものとした体現者であるし、クライフが奇人の類に属される人間だと言うことに異論を挟む積もりは無い。彼ら無くして、74年ワールドカップでオランダの躍進は無かっただろうし、でも彼らは代表チームでそれを構築した訳でもない。ワールドカップ西ドイツ大会の開催前夜、オランダリーグに属するトップクラブは、既にプレッシングやゾーンディフェンスを用いた戦いをしていて、クライフとミケルスはそのエッセンスを代表チームで表現したに過ぎなかった。
だから、クライフとミケルスは74年のそれだけで歴史的な人物に祭り上げられる事が多いけれど、別段彼らがオランダにおいて特殊な考え方を持ったサッカー選手と監督だった訳ではなく、あくまでオランダが持つフットボール文化の中から、いわば必然的に生まれてきた存在なのだ。
74年のワールドカップで世界を驚かせたオランダ代表と、92年の欧?†††??州選手権で見事なフットボールを披露したオランダ代表は、全く違ったアプローチでフットボールと対峙したけれど、監督はいずれもミケルスであり、相手より多くの得点を重ねる事に主眼を置き、更に美しくプレーしようとした点は全く同じだった。そして、それ以降現在までオランダのスタンスは大きく変化する事無く、歴史を重ねている。小野伸二が移籍したエールディビジを見ても、下位に位置するクラブですら極端にディフェンシブな戦いをするクラブは見あたらず、レベルの問題はあるにせよ、リーグ全体が攻撃的なフットボールを志向している。現在、世界に名だたるオランダ人フォワードの面々を見れば、オランダのフットボール文化が見えてくる。彼国では、少年時代に一番上手いとされる選手が、フォワードになるのだ。
少なくとも、オランダは世界中で最も“攻撃的なフットボール”を目指す国であると思うし、そして結果以上にプレーの質や内容を問う国であるとも思う。クライフは左右の足を同様に使える事を高く評価するし、例えフィジカルに劣る選手でも技術的に優れたものを持つ選手は優先的に起用した。このあたりはファンハールなどと異なる見解を持っていると思われるけれど、それもアプローチの違いでしかない。目指す方向は、同じ向きを指している。攻撃に重きを置く考え方に、恐らく相違は無い。
フランスワールドカップでアジアの虎を失意のどん底に突き落としたオランダ人は、4年後その相手国で監督に就任し、アジアの国をワールドカップ史上初のベスト4へ押し上げた。ホームの後押しが少なからずあったとは言え、今までの常識では考えられない方策を彼は取った。アジアのチームが欧州や南米の列強と戦う時、イニシアチブを取り攻撃的にプレーしようとする思考回路は存在しなかった。日本代表を率いたトルシエも、サン・ドニで虐殺されたのと前後して、自らの哲学を半ば放棄した格好でリアルな戦術に終始した。しかしフース・ヒディングは、大会前のテストマッチで結果が残せずとも、自らの哲学を押し通し、最終的に大いなる結果を得た。これが、オランダ人の気質だろう。
クライフを当たり前の様に生み出した国、オランダ。そして2002年、ウラワレッズに就任した監督もまた、オランダの国籍をもつ者だった。
◇オランダスタイル・その2◇ 11.27
ハンス・オフトとの2年間は、それはもう実りの多い時間だった。Jリーグが開幕してから10年、クラブ自体が規律を持てないまま時は過ぎ、それは勿論チームへディシプリンを与える事など無かった。どんなに有能な才能を持つ若人が入団してこようと、その年ごとにベクトルが変わっていくチームの中で彼らはスタイルを崩し、飛躍的な成長を遂げることなく沈んでいった。
1年目はゾーンで守る3バックを取り入れ見事に崩壊、底辺を這い蹲った。2年目は固いストッパーシステムに変更するも、組織的なディフェンスが出来ず一向に成績は上がらない。3・4年目に初めて外国人監督が就任し、チームに簡単な約束事を植え付け、優れた外国籍選手とスピードのある日本人フォワードが上手く噛み合い、チームは漸くスタートを切った。
それもつかの間、5年目はカウンターサッカーではなく能動的なそれをしたいとの意向から、堅実なスタイルで結果を残した監督から、新たな外国人監督へと交代が行われる。新監督は選手の能力を見切る間もなく、次々とフォーメーションを変えては失敗し、失意のシーズンへと舞い戻る。
6年目、前年失敗した要因の一つにコミュニケーションの問題があったとし、今度は日本人監督を呼び寄せる。この年、このチームでは珍しく才能を枯渇させなかった非常に有望な高卒新人が入った事により、チームは躍進を遂げる。スタメンを張る外国籍選手も非常にレベルが高かった。因みにこの年はゾーンの4バックで守り、高いラインを敷き攻撃的なスタンスを保っていた。
7年目、前年の新入団選手が開幕から活躍したからかどうかは定かではないが、この年も開幕から大卒フォワードを使い続け、それはなかなか結果に繋がらなかった。中核となった前年の新人は大怪我に見舞われチームを離れる時間が増え、高いラインの維持に欠かせなかった外国陣ディフェンダーは欧州のクラブへ引き抜かれた。中軸がいなくなるとチームはずるずると下降線を描き始?†††??め、前年の躍進が嘘の様な内容で下部リーグへと落ちていった。
8年目、下部での再スタートは、クラブ生え抜きの経験の無い日本人に委ねられた。開幕当初は選手の力量もあり順調なスタートかに見えたが、それは長くは続かない。外国人選手の入れ替わりも激しく、負けが込むとあっという間に統率を取れなくなった指揮者は、その任を上司に奪われ、その上司の激情が何とかチームの面目を保った。
9年目、今度こその年、奇跡的にトップリーグへと返り咲いたチームは、ブラジル路線を引く。外国人もブラジル国籍の選手で固め、監督は勿論、スタッフも多くをブラジル人が占めた。前期、怪我人が多かったチームを何とかまともな成績で終えた監督が、突然の辞任を発表する。その後を引き継いだのは辞任した監督の下で働いていた同じブラジル人であり、サッカーは前任者のそれをベースにしたものであったが、お世辞にも組織だったそれとは到底言えず、成績を残せないままクラブを去った。
迷走に次ぐ迷走。こんな、全く一貫性の無いクラブチームを、前述した内容で引き受けたのがハンス・オフトなのである。これで変わるんだ、そう期待を持たせたセレクトであった。
◇オランダスタイル・その1◇ 11.26
1970年代、「時計仕掛けのオレンジ」と評されたアヤックスやオランダ代表の中心には、常にヨハン・クライフとルイス・ミケルスの姿があった。彼らは当時主流だった、各選手がポジションを守り、1対1の場面が多いサッカーの概念を打ち破り、近年主流になったプレッシング・サッカーの大元とも言うべきスタイルを確立した。後に言われる「トータル・フットボール」である。攻撃の選手をきっちりマークするという、基本と言われていた事の優先順位を半ば無視して、ゴールキーパーやディフェンスラインへ素早くプレッシャーを掛けた。高い位置でボールを奪い、当時殆ど無かったディフェンダーのオーバーラップを頻繁に繰り返しながら、怒濤の様な攻撃を仕掛けた。その頃、ディフェンダーまでも攻撃参加する事から、全員守備・全員攻撃などと言われたが、今のサッカーではごくごく当たり前の事だ。近代サッカーの礎を築いたのは、間違いなくこの頃のオランダ代表であり、アヤックスである。流動的なポジションを取り、それこそ機械仕掛けの様な動きを各選手が見せたから、前出のネーミングに繋がったのだろうけれど、その中でも自由度が一番高かったのがヨハン・クライフであり、それこそ最前線からディフェンスラインまで顔を出し、指示を出しながらプレーメーカーとして存在した。彼のプレーと、ミケルスの頭脳が融合して初めて、トータルフットボールは完成の域に近づいた。
それから20年近くが経ち、ヨハン・クライフはスペインのFCバルセロナの監督に就任した。彼はトータルフットボールの始祖であるから、バルセロナでもそのスタイルを見せるのかと思いきや、カンプノウでは全く異質のフットボールが繰り広げられた。左右に大きく広がったウイングは、それこそその位置を動かず70年代のそれを彷彿とさせ、センターフォワードに位置する選手は、同様にポジションを守り点を取ることだけに集中した。頻繁に見られたオーバーラップはその影すら見られず、フィールドに広がった選手達はキックオフ時のポジションを頑なに守った。その代わり、ボールは良く動く。各選手、一様に美しく制御されたインサイドキックでパスの山を築く。グラウンダーのサイドチェンジを繰り返し、相手はボールを追いかけ疲労困憊の体をなす。すると、左右の高い位置に構える翼達は、1対1で圧倒的に優位に立ち、サイドをこれでもかと言うほど切り崩し、決定機を何度も創出する。ヨハン・クライフ率いるFCバルセロナは、多分間違いなく、その時世界一美しいサッカーを展開していた。しかしクライフの辞職後、バルセロナは成績は残すもののスペクタクルは徐々に失われて行った。世界的に見ても、クライフ時代のバルセロナはやはり異質の存在で、これ程スペクタクルを追求したクラブは存在せず、より実利的なフットボールが世界を支配して行く。
そして時は経ち現在、極東の人気クラブに就任したとあるオランダ人監督は、基礎的な技術もままならない選手達に1から基本を教え込んだ。ポジショニング毎の役割、トラップ、体の向き、インサイドキック… 余りに基本的な練習に戸惑う選手達。だが、それは徐々に彼らの考えを変えて行き、?†††??そしてまた徐々に、チーム力を変えて行くことになる。
◇ホーム◇ 11.25
清水・名古屋と遠征が続いたけれど、時間的拘束はそれ程でも無かった。物理的に住んでいる場所が新幹線に乗りやすい所である事も一つの要因で、名古屋の時帰りに掛かった時間は2時間ジャストだった。これは駒場やさいスタに通うのと大差なく、駒場の時などはバスに乗る時間もあるから結局いつも1時間半以上掛かっている。
だからといって、やっぱり駒場が我が家という感覚ははっきり自覚出来るし、同じ2時間掛けてスタジアムに向かう時間の中身はだいぶ違うものだ。駒場、あるいはさいスタに向かう車中は、何となく楽観的な気分で、特に駒場の時は敵を迎え撃ち叩きのめしてやるという、意識が高揚した状態にある。対して、アウェイに向かうときには、それが例え味スタや横国の様に、僕にとってはホームよりも距離的に近いスタジアムで行われる試合であろうと、敵地に乗り込む感覚は鮮明に存在し、幾らウラワのサポが多いとは言え相手のホームグラウンドで行われる試合、何が起こるか解らないから気を引き締めて行こうと考える時間が増える。
結果的にも、ウラワはホームでは圧倒的な強さを誇る。特に今年、駒場での勝負強さは強烈だった。これこそホームだという試合を何試合も見たし、ギリギリの所で追いついたり、突き放したり、これが我が家という感覚をより一層強いものにしてくれた。勿論、去年までもそれはあったけれど、今年とは比較にならない。
ただ、さいスタに圧倒的なホームを感じる事は少ないし、僕らがホームの恩恵を授かった事もまだ余り無いと思う。ゴール裏に屋根がないという構造的な問題や、今のウラワには少しだけ大きすぎるキャパシティや、色々な要素が絡み合って駒場以上の空間にさいスタが変化するのを妨げているのだろうけれど、僕をウラワに引き込んだ95年国立でのサポートや、去年今年とナビスコで見せたウラワの底力を見れば、さいスタがそういった空間になれるのは間違いない。多分、最終節はそうしなくてはならないのだろうし、相手を考えればそれこそうってつけの時間になるのだろうと考える。
◇疲れた◇ 11.24
名古屋は遠かったし、勝利も遠かった。ちと休みたい。下のオフトへのメッセージは、まだ継続して募集します。一応名古屋戦までという事にしてましたが、最終節までに延長したいと思います。まだ書いていない方、連敗が続いたけれどオフトの功績は変わらないと思っている方、是非書いて下さいな。
◇次は相手を殺してでも勝て◇ 11.22
正直言って、今日は怒りの感情しかない。全てに対して。坪井はウェズレイのマークを外し続けたし、ゴールに背を向けてボールを受けたタツヤは前を向く事すら希だった。個人個人を見れば、良いプレーが多かった選手も居たけれど、いかんせんチームの状態が悪すぎた。マンツーマンを基本とする戦術で、あれだけ相手フォワードをバイタルエリアでフリーにしていては、何も始まらない。こうなるのは必然だろう。
僕は、4点目を取られて以降、コールするのを止めた。それがサポートじゃないと言われるならそれでも良い。試合終了後は、止まらないコールの中、独りでブーイングをしていた。本当に頭に来ていたんだ。一生懸命やっているのは解る。でも、仮にも優勝争いをしている自分のチームに、あれ程不甲斐ない戦い、情けない内容の試合を見せられ、どうしてアウェイまで応援に行っていながらコールを送り続けられるのか、僕には理解できなかった。それがウラワのスタンスなのか、何か考えがあっての事なのか僕の知る所では無いけれど、僕は無性に腹が立っていた。今のウラワサポは、優しすぎるんじゃなかろうか。
今年初めて代表に呼ばれる様になった選手たちは疲れているだろうし、怪我人も多い。ネガティブな面が多い事は否定しない。でも、それでも、今日の戦いは本当に不甲斐なかった。もっと出来る筈だ。出場停止の大黒柱は心底悔しがっているだろう。
2年間掛けて作り上げてきたウラワのサッカーが、こんな所で止まるのを見たくない。最終節はどんな事があっても、「凄まじいまでの勝利への執念」を選手は心に刻み、勝利に対して冷酷なまでに冷静に貪欲に、戦って欲しい。面白いサッカー? 笑わせるな。勝利者のみが、その欲望を追求できるんだ。

◇ウラワサポ◇ 11.20
サッカーにのめり込むきっかけは人それぞれだろうけれど、僕にとってはBSに加入して初めて見たアメリカワールドカップ予選のイタリアvsスイスがそれに当たる。0-2から終了間際にイタリアが追いつく劇的な展開と、スタジアムの圧倒的な雰囲気は、ガラガラの国立しか知らなかった僕にとってカルチャーショックだったし、その翌年開幕する事になるJリーグと合わせて、野球小僧だった僕をそれこそあっと言う間にサッカーへと引きずり込んだ。
J開幕当初、チケットは全く手に入らず、毎週テレビから流れてくる満員のスタジアムを、ぼうっと眺める日が続いた。当時は観客こそ満員だったけれど、声の応援という面ではまだまだJでは始まったばかりで、BSやダイヤモンドサッカーで見られた圧倒的な声量には全く勝てず、また現地で見た事がないから余計にヨーロッパのサッカーに羨望し、Jに対しては余り深く考える事は無かった。勿論、ウラワは地元のチームという事もあり、影ながら応援していたものの、なかなか出ない結果が、僕をJから引き離す要因ともなっていた。折しも時はアメリカワールドカップの年、生まれて初めて生で殆どの中継を見られるチャンスに、僕は心躍っていたし、実際テレビに映し出されるプレーの一つ一つは見たことの無い様な素晴らしいそればかりで、全ての試合をビデオに録画し、それこそ何回も繰り返し見た。
その頃、WOWOWにも加入しセリエが見られる様になった僕は、益々ヨーロッパサッカーへと偏り、ある程度の国やクラブであれば、空でスタメンが言える様になっていた。そんな時だった。
あの友人の誘いがなければ、今の僕は無い。Jが開幕して3年、やっと観客動員にも落ち着きが出始め、国立の様な大きい器で開催されるゲームならば、何とかチケットが取れる様になっていた。ウラワに住むその友人は、開幕当初からウラワのゲームを必死に応援していて、ヨーロッパかぶれの僕に少しずつ嫌気が差してきていたらしく、勝てないウラワを馬鹿にする発言をしたりしていた僕を、半ば無理矢理に国立へと連れて行ったのだ。
もう詳細は全く覚えていないし、調べればどんな内容のゲームだったか位は思い出せるんだけれど、そんな事よりも僕はスタジアムの雰囲気にただただ圧倒されていた。聖火台の脇辺りに陣取った僕らは、右手ゴール裏から発せられる男臭い声の固まりに気圧され、試合を見るのもそこそこにスタンドの方ばかりを見やる僕。そんな僕を横目に、「どうだ、これがウラワだ」と言わんばかりの表情を浮かべる友人の姿を、今でも僕は忘れない。バインのVゴールで歓喜に包まれた国立は、その時既に僕を異次元の空間に運び、ビギナーズラックと嗤う友人を半ば無視して、何故だかそこでずっと叫んでいた。
こんなに心を鷲掴みにするものが世の中にあった事を僕は知らなかったし、何でもっと早くこの場所へ足を運ばなかったんだろうと後悔もした。勝てないから馬鹿にしていた事などもうとっくに忘却の彼方へと捨て去り、僕はウラワを応援するんだと心に誓った。多分、こんな入り方をする奴はミーハーなんだろうけれど、あの高揚感だけは一生忘れられない。今でも同じ気持ちを常に抱いてスタジアムへ足を運ぶ。どんなに試合を重ねても、勝利を掴むその時の感覚は、今でも全く変わらない。勝利を掴むために、僕はスタジアムへ行く。
◇大トヨタ◇ 11.19
思い返すと、去年のセカンドステージ名古屋戦は、大将が現役最後のゴールを決めた試合だった。連勝街道まっただ中のウラワが、相手強力2トップをどう押さえるか個人的には注目していたんだけれど、バスティッチが思いの外下がり目でプレーして、逆に相手がエメとトゥットを警戒してかなり守備的な布陣を引いてきた記憶がある。しかしその作戦を用いた監督は既に仙台へ疎開しているし、相手は狡猾さではオフトの上を行く“腐ったみかん”ネルシーニョだ。だからと言って、恐れる事はない。
ウェズレイの怖さは今に始まった事じゃないけれど、マルケスとのコンビネーションを絡めた攻撃に相対するのは初めてだし、トップ下で開眼した感のある岡山や、センス溢れる中村など攻撃面でのトピックが多い。反面、パナディッチを中心としたディフェンスは強固と思われがちだけれど、意外に失点が多いのがネルシーニョ就任後、名古屋の現状だ。ズデンコが居たときとは、全く違うチームカラーになっている。
恐らく先日の清水みたいなサッカーを、間違っても名古屋はしてこないだろうし、やはり自信のある2トップを筆頭に、攻撃的にくるだろう。特に、ホーム最終節でもあるし、勝利への渇望はウラワに劣るとは思えない。
ただ、今年のウラワに対して攻撃的に来るチームは、自らのサッカーをしようと目論むチームは、悉く返り討ちにあっているのを忘れてはならない。ウラワから勝ち点を奪う為には、既にサッカーを放棄するしか方法が無くなっているのだ。これは断言しても良い。京セラ、G大阪、横浜F、J2瓦斯、柏、清水。彼らは皆どうでも良いサッカーしかしてこなかった。内容なんぞ二の次三の次、とことん守ってカウンター。セカンドステージ、ウラワにまともにぶつかって勝ち点を奪っていったのは、実は市原だけだ。
名古屋がいつも通り攻めに出てきてくれさえすれば、僕らは笑う事が出来るだろう。エメとニキの不在を嘆くのではなく、現有戦力でも十分勝ち点を奪える事を、ウラワは証明しなくてはならない。昨年の名古屋戦が終わってから、僕らはシーズン終了まで悪夢を見続けたけれど、ナビスコでその内の半分くらいはお返しをした。でもまだ僕らは返さなくてはならないものがある。大将の言霊を、ウラワは受け継ぎ、実現しなくてはならない。
◇ダイヤモンドサッカー◇ 11.18
今から十数年前、僕がサッカーに興味を持ち始めた頃、日本のテレビで唯一海外の素晴らしいプレーを見る事が出来た番組があった。その名も「三菱ダイヤモンドサッカー」。もう記憶が不鮮明だけれど、確か毎週金曜日の深夜に放送していたかと思う。その頃は、海外の注目すべき試合を前半と後半に分け、2週に渡って1試合を放送していた。現在のスカパー!やBSで見られる試合数を考えると隔世の感があるけれど、逆に当時はそれしか映像媒体が無いから、それこそ必死になって目に焼き付けようとテレビにかじりついていた記憶がある。
テレビ東京の久保田アナは、一般に名の通ったアナウンサーでは当時無かったと思うが、僕の身の回りでサッカーを嗜好する人間には評判が高かったし、実際見ていても解説に良く出てきた金田氏などよりも、余程サッカー選手に関する造詣は深かった。昔誰かが言っていたが、久保田氏はかなりの名調子で「オフサイドは無い!」と彼が叫ぶと結構な緊迫感があったものだ。
その中で一番鮮明に覚えているのが、スペインリーグのクラシコを放送した回。バルサがレアルを5−0で虐殺した試合で、クライフドリームチームの神髄を見せられた試合だった。カンプノウでは豚の首が飛び交う事無く満ち足りた雰囲気が漂い、バルサは恐ろしく華麗なボール回しを魅せ続ける。得点を挙げ続ける。クライフのサッカーが、最も美しく咲き乱れたとても煌びやかな試合だった。僕のバルサ病は、ここが原点だ。
この試合は勿論ビデオに録画し、それこそ本当にテープがすり切れるまで何度も見返した。そして、そのテープはいつしかノイズのみを映し出すゴミへと変化してしまった。だから、今は手元にそのテープは無いし、その試合を見る手段も無い。だからといって僕の中でその景色が色褪せる事は無いし、恐らく一生忘れないだろう。それ程、美しい光景だった。
今は、スカパーなどで腐るほど海外の試合を見る事が出来るし、多分その当時よりレベルの高い試合を見る事が出来るだろう。アーセナルやレアル・マドリーを見ていれば、誰だってそう思うだろうし。でも、今の僕はそんな海外サッカーを見ても、今ひとつ心ときめかない。勿論、当時のバルサから受けた初体験の衝撃が大きかったせいもあるけれど、一番の大きな理由はそれではない。当時に無くて、今あるもの。それは、グランデ・ウラワの存在だ。
◇審判◇ 11.17
桜に所属する、大久保“前園二世”嘉人は、審判へ対しての暴言で、通算14枚目のイエローを頂戴した。この内、審判へ対する意義が8枚を占め、同じ過ちを繰り返す彼の学習能力の低さを表している。ただ、僕は大久保に同情的だ。彼や三都主を、あそこまで異議申し立てに走らせる理由は何なのか。少なくとも、彼だけが一方的に悪くて、断罪しようという気は更々無い。逆に、文句を言われて怒っている人達に対して、多少なりともそれを反省の材料にして欲しいと考えているのだが。
今に始まった事じゃないけれど、Jの審判レベルはお世辞にも高いものとは言えない。カードの多い少ないは別段問題じゃ無くて、それはそれぞれのスタイルだから良いと思うけれど、やっぱりぶれの大きい判定が一番の問題なのじゃないだろうか。先日の清水戦、奥谷氏はどっちのサポーターから見ても不快なジャッジを繰り返し、片方のチームからは二人を退場させ、一方のチームへはパスコースを塞ぎ、絶妙なポジショニングで試合の流れを絶ち続けた。
彼はナビスコ杯準々決勝2ndレグでも味スタで笛を吹いており、この時は一方的にホーム側に立った笛を吹いていた。もう、W杯で有名になった彼でもこんな笛は吹かないよと思うくらい偏ったそれで、確認の為に見たVTRでもその思いは強まるだけだった。
奥谷氏だけではない。殆どの主審がばらついた判定を繰り返し、きちんとゲームをコントロール出来る人材は稀だ。明らかに選手より目立ってしまう人も珍しくはないし、それが日常茶飯事となっている。これはもう何年も言われ続けている事で、その為にレスリー・モットラム氏をはじめとする外国人審判員を呼び寄せてレベルアップに励んでいるものの、それが効果を発揮しているとは言い難い。
昨日、高校野球で東北高校のダルビッシュ投手が審判の判定に批判的なコメントを出して、連盟やら何やらからお叱りを受けていたが、審判を神聖視する事の方が余程問題が多いのではなかろうか。大久保も、やり方をもう少し考えた方が良いにせよ、明かな誤審には断固たる態度を取るべきで、例えばナビ杯準決勝の時にアンジョンファンが見せたダイビングなどは、ビデオ判定でも用いて試合後にきっちり裁くべきである。試合中にビデオを使った判定をするのは、問題も多いし難しい面も多く、個人的にも反対だけれど、明らかに問題のあるジャッジには、それなりの対応が必要になってくると思う。
審判に対して責任の所在を明かにするのは問題もあるのだろうけれど、選手にイエローカードやレッドカードがある以上、彼らにも責任を取って貰う必要があるのではないだろうか。少なくとも、協会とは別に審判を裁く機関を作り、酷いジャッジを繰り返す審判員にはペナルティーを与える等、方法はある。勿論良いジャッジを評価する事も忘れずに。彼らも人間だし、多分そんなに恵まれた職業で無い事は想像に難くない。だけれども、安閑とし、自分たちが常に正しいという環境は、全く成長につながらないし、見る側が持つ今の不快感は無くならないだろう。
カードを乱発したり、意義申し立てがとても上手な特定のチームに寄り切られたり、選手よりも目立ったりしている内は、選手と審判の信頼関係構築は望むべくもない。大久保“前園二世”嘉人の暴言は、それをまた深く考えさせられる一件だった。
◇オランダ人◇ 11.16
ユーロのプレーオフでオランダがスコットランドに負けた。アウェーでの戦いに敗れただけだから、まだ負けが決まった訳ではないけれど、ここ数年のオランダはあっけなく敗れる事が多くなった気がする。元々、サッカーに関しては勝利をそこはかとなく求めようとする国ではないから、ワールドカップ予選の時に見せたダブリンでの情けなさとか、昨日の結果とか、そこに存在するワールドクラスのメンバーを考えれば俄に信じがたい負け方を、オランダはする。
よくよく結果を見てみると、機能しないと言われ続けているクライファートとニステルローイの2トップがそこにあった。ダブリンでセンターフォワードを4人並べたファンハールは兎も角、アドフォカートもタワー型フォワードに何某かの郷愁を抱いているのだろうか。そういえば、Jでも京都のオランダ人監督は、黒部とレジのツインタワーを頑なに同時起用し続けている。もっと言えば、昔ウラワが悲劇に見舞われた年に監督をしていたオランダ人も、でかいフォワードを好んで使っていたっけ。ミスターレッズを顧みず。
今のオランダには、各国リーグで得点王を獲る、強烈なフォワードがひしめき合っている。ロイ・マカーイ、ルート・ファン・ニステルローイ、ピエール・ファンホーイドンク、パトリック・クライファート、ジミー・フロイト・ハッセルバインク...etc 彼らが自分のクラブで披露しているプレーが代表でも出来れば、それは強力なチームになるだろう。ただ、オランダ人監督の多くは、始めにシステムありきで、チームを型にはめ込もうとする傾向が強いと言われている。上手くはまった時の強さは手が付けられない程だけれど、一度歯車が狂うと修正が効かなくなる事も多い。今のオランダは、その悪循環に飲み込まれている。
それでも頑なに自分の信念を貫き通すのがオランダ流で、ロナルド・クーマンやヒディングの様に柔軟な思考を持つ人材は例外的な存在だろう。同じオランダ人だけれど、僕はオフトがその例外的な存在だと思っているし、誰かが言うようにウラワのサッカーが規制されたそれだとも思っていない。背の高いフォワードを使った戦術は見ている方にも解りやすいし、解っていても止められない利点もある。でも、ウラワの様に上背の無いフォワードを使って点を取る方が余程難しいし、逆に考えなければならない事も多く、見る側としては面白いと思うのだけれど。
◇楽観視◇ 11.15
全く悲観する事は無い。もとより僕らは挑戦者であり、それ以外の何者でもないのだ。ウラワは発展段階にあり、常にある程度以上のパフォーマンスを発揮できるチームになりきれていないのは以前から言っている通りだし、今日はその不具合が出てしまった。
いつもより、前線のポジショニングがほんの少しだけ違ったから、それが徐々に他のポジションにも影響を及ぼす。足元へのパスはそのせいで数センチ単位で狂い始め、振れだした振り子のズレはどんどんと大きくなって行く。相手が9人になった事は、今日のウラワにとっては余り関係の無いことだと思う。自分たちのサッカーが出来なかった、ただそれだけの事。
立ち上がりは、それ程悪いものだとは思わなかった。特に、サイドの攻防は圧倒していたし、いつもと同様如何に早く先取点を取れるかが鍵だなと感じた。だから、山田のスーパーミドルがクロスバーを叩いた時は何だか嫌な予感がしたし、やっぱりそれは的中して、前半はそのシュートを境に自らペースを崩していった。フォワードにも、良いボールが入る機会が激減し、不調に見えた永井は兎も角、タツヤも消える時間が増えていった。
それでも、後半は何とか挽回してくれと信じていたけれど、主審のぶれまくる判定に振り回され、沢登の退場がそれに拍車を掛けた。10人になり引きこもりカウンターを狙う清水のサッカーは明確で、ウラワは自分の首を絞めるが如く焦りを見せ始めた。その後もう一人退場になり相手が9人になると、オフトはパスミスの目立った長谷部を下げて千島を入れる。今度は明確な3トップ。すると前線が開き過ぎて、中盤の押し上げが出来にくくなって行く。スペースが無くなるのだ。こういった時、中央から飛び出せないのなら、ウイングに位置するタツヤと千島は絞り込んでサイドからのオーバーラップを促さなければならないのだけれど、この形で殆ど練習していないのだから仕方ない。
9人になっても、相手の大木監督は2トップを下げる事をしなかった。これは完全に狙ってやった事であろうし、結果的に清水が勝ち点3を奪えたのはこの采配に寄る所が大きい。2トップ以外の全員で守り、後は必死にカウンター。ウラワにとっては事故の様な失点だったけれど、あれだけマークを離してしまえば安貞桓は仕事をする。都築にとっては本当に不運だった。来期、是非リベンジを。
何だか、全ての歯車が上手く回らなかった試合だった。ホンの少しのズレが、立て直せないままあそこまで大きくなってしまうとは。サッカーの怖さを実感したし、ウラワにはまだまだやるべき事が多いのを、改めて痛感させられた試合だった。サポーターも、やっぱりあの日本平が醸し出すまったりとしたムードに巻き込まれた感は否めないし、2階スタンドでも余り殺気を感じなかった。死ぬ気で勝つんだという気概が、何となく薄れていた気もする。僕個人も含めて。
ただ、だからと言って悲観する必要は全くない。他のチームも酷いありさまで、勝ち点差は殆ど開いていない。残り2連勝すれば優勝の目は確実にあるし、僕らが声援を送らずして他に何をするべきか。チームの方向性は間違っていないと信じてるし、今日だってレベルが上がっている事は感じられた。きっと名古屋では、また違った内容を僕らに見せてくれるだろう。試合後、拍手で選手を迎えるオフトを見た時、ちょっと安堵した。

◇自分たちのサッカー◇ 11.14
自信が人を変えるというのは良くある話で、その例に漏れずウチの代表右サイドバックも最近大分発言が大人びてきた(と言っても僕と同い年だから、実際は結構オヤジなんだけれど)。特にチームを代表する様な発言も見受けられる様になり、やっと年長者としての役割を果たして来ている様だ。近頃では「いつも通り自分たちのサッカーをすれば、必ず勝てる」なんて言う、3年前じゃ絶対聞けなかった様な台詞も普段着になってきたし、いや本当に人は変われば変わるものだなと感心してさえいる。
元々、啓太や坪井は冷静ながらも強気な面が多々見られたし、向上心が表に出るタイプだったから今更驚きはしないんだけど、やっぱり山田と内舘の変わりようはウラワサポとしては嬉しいサプライズだ。ずっと続けてきた事に対する自信が、ナビスコの優勝によってそれがより強められたのだろう。やはりタイトルを獲るという事は素晴らしく、プラスの要素が多い。
山田と内舘がベテランの風格を漂わせる事により、中堅どころで冷静な坪井と平川、若くて熱い啓太や長谷部、やんちゃなエメとタツヤなど、他のメンバーも併せて、チームが絶妙なバランスで成り立っている事に気づく。クールとパッションが、上手く組み合わされて今のウラワは動いている。経験豊富な外国籍選手が、それに彩りを加える形で。
これも全て「自分たちのサッカー」というものが形になってきたからだ。プレーする事に対し、自信を持って「これが自分たちのサッカーだ」と言い切れる環境になった事が、全てを変えたと思う。ウラワにとって、こういう経験もほぼ初めてと言って良い。こうすれば勝てるという形が出来た事は、何度考えてもやっぱり初めてだ。幸いにして、今年の清水にはそれはない。やってみなければ判らないというのが正直な所だろう。だからこそ、僕らは立ち上がりからウラワを勢いづかせなければならない。ウラワのサッカーを見せつけてやれば良いのだ。そうすれば、勝ちを知った僕らを、阻むものは何もない。
◇出身地◇ 11.13
何となく、清水戦に向けて色々調べていたら、実はウラワに居る静岡出身の選手は全員スタメンに名を連ねるみたいで驚いた。特に啓太と平川は清水市出身だし、長谷部と山田も藤枝市の出であり、そりゃ気合いが入るなとも思う反面、空回りしなければ良いなとも思う。実際更に調べると、去年も一昨年も勝っていないし、実に97年のファーストから日本平で勝利していないのだ。まあ、当時在籍したのは山田だけだから、余り関係ないのかも知れないが。
その間実に6年、もうそろそろ勝つべき時だし、この10年間様々なチームから様々な嫌な思い出を沢山頂戴したから、そろそろ利子付けてどんどん返して行かなくてはならないし。ナビスコカップでは、取り敢えず茨城の雄にほんの少しだけお返し出来たから、次は清水の番です。特に、沢登にはホント苦汁を飲まされ続けてきたから、この前の6得点くらいじゃ足りませんええ、今度は君のホームでまたやってやろうじゃないの。
で、面白くなってきたから選手の出身地をどんどん見ていった。やはりウラワのクラブだけに、埼玉県出身者が多くて、南なんかは僕の地元のとても近所出身だから、あの顔を含めて非常に親近感を持つし、もっと頑張れと思う。やはりウラワ出身の選手は、それだけで応援される度合いは強いのだろうし、室井なんかはその良い例だろう。でも同じ中学校出身のある選手は、それ程優遇されているとは思えないんだけれど。何でだろう。
そうして、今度の週末“男”になる予定の選手を見たら、余りにはまりすぎていて笑うというか唖然としてしまった。9番“東京都新宿区出身”。そりゃ、あの風貌なら間違いないな。誕生日はバレンタインデーだし、どちらかと言うと男からは妬まれるキャラの筈だけれど、ウラワでの人気はかなりのもの。期待もまだまだ大きい。こんなチャンスは二度と来ないかも知れない、永井、今年のウラワを締めくくるのは、お前だ!
◇清水戦展望◇ 11.12
さあ、今週末は日本平へ。今年になって埼玉から川崎へと引っ越した身としては、ウラワに住む皆さんよりも多少清水への道のりは楽です。ちょっと調べてみたら、東海道線一本でいけるじゃないですか。いつも駒場やさいスタへ2時間弱の時間を掛けて通っているので、余りアウェー遠征という気がしない。
今期の清水は、開幕からあっちへふらふらこっちへふらふら、システムからして全く固まらず苦しい日々が続いている様子。スタメンの面子はそれ程変わっている印象が無いから、その要因は大木さんに寄るところが大きいのだろう。開幕の時は4バックだった筈だけれど、今は“清水と言えば”の3バック。次節は、三都主が出場停止で市川が膝の怪我により欠場。両翼を欠く清水は、ウラワ戦に向けてどの様なサッカーを繰り広げるだろうか。
今期は既にナビスコも含めて3試合を戦い、今のところウラワの2勝1敗。得失点はウラワ7得点、清水2得点。内容的には守る清水、攻めるウラワという構図は次節も変わらないと思う。特に清水は両翼のスタメンが居ないから、如何にホームとはいえディフェンシブに戦わざるを得ないと思うし、特にサイドの攻防はウラワに有利だろう。ナビ杯準決勝1stレグでは、引いた相手にウラワは苦悩し、特にフォワードが前向きで仕事をさせて貰えなかった。ここが、大きな争点になるだろうと。
あの試合後、啓太のインタビューをどっかで読んだ。「勿論同点に追いつきたかったというのはありますが、次に駒場での試合を残していたのでそこで逆転出来れば良いかと思いました。それよりも、失点するリスクを避けながら戦っていました。」要約するとこんな感じだったと思う。要は、それ程無茶をして攻撃に行ったという訳ではなさそうだ。今回は、是が非でも勝たなくてはならない試合。それは選手みんなが理解している事だと思う。
最近の試合と変わらず、立ち上がりから高いペースを保ってある程度前掛かりに進むウラワと、それを引いていなして、カウンターからの早い攻めをしたい清水。こんな構図が見えてくる。ウラワは出場停止のエメに代わってナギーが先発で、ここからいつものウラワとは違った攻めが見られる事を期待してる。啓太も「ナギーはスタメンだとポストをしてくれるから攻撃出来るかも」などと言っている様だし、2トップが前を向かせて貰えない時に、どう攻めるかという答えが見られる試合になるかも知れない。
清水は、選手個人のポテンシャルなら全然ウラワに引けを取らないから、安心出来る試合では全くない。きっとディフェンシブなサッカーに、ウラワは苦戦する事だろう。でも、今回は啓太の話にもあった通り、J2瓦斯戦の後半に見せた“中盤がアグレッシブに戦うウラワの姿”を見る事が出来るだろう。内舘がディフェンスラインに下がり、ボランチは啓太と長谷部。最近コンディションが戻りつつある山瀬とボランチの2人が、この試合を決めるだろうと予測する。
日本平は、これまで無い程真っ赤に染まる。僕らは試合前のまったり感に巻き込まれることなく、いつも通りの熱いサポートをする。眼前の敵を叩き潰す。
◇フォワード◇ 11.11
ロナウドのプレーを見て感嘆の声を上げる事は簡単で、ビエリの重戦車ぶりに驚嘆するのはさほど難しい事ではない。彼らは、いずれもリーガエスパニョーラで得点王を獲った実績があり、その他のリーグや代表でも素晴らしい結果を残している。優れたフィジカルとテクニック、そして決定力。表現の仕方は違えど、彼らはフォワードとしての資質を殆ど完璧に備えていると言っても過言ではない。日本人に対してあの様な「特異な身体能力」を持つスタイルのフォワードを望むべくもない事くらい、日本人が一番解っている。でも、果たしてそれが全てだろうか?
同じく、ここ十年の間にリーガで得点王を獲った選手に、ブラジルのロマーリオが居る。彼は前出の2人に比べれば明らかに体格で劣り、フィジカルも強いとは言えない。更に言えば、スピード面でも優っているとは言えないだろう。しかも練習嫌いだし。では何故、ロマーリオはリーガで得点王に輝き、ブラジルを代表するフォワードとして君臨出来たのだろうか?
それは、確固たるスタイル、言うなれば「得点へ至るまでの過程」の引き出しを沢山保有し、そして誰にも負けないポジショニングセンスとボールコントロール能力を持っていたからに他ならない。170センチにも満たないような身長で、世界の屈強なディフェンスをかい潜り得点を重ねて行く為には、それ相応の技術が必要だ。
ロマーリオは、得点王を獲ったバルセロナ時代、3トップのセンターフォワードとしてプレーする事が多かった。この体格の選手をセンターに据える監督も監督だが、それに答えてしまったロマーリオもまた凄い。当時全ての試合を見られた訳では無いから単純に言い切る事は出来ないけれど、ロマーリオは試合中ポジションを大きく動かす事は殆ど無かった。どんなに攻め込まれても(まあ当時のバルサが攻め込まれる事は非常に少なかったが)必ず敵陣のセンターに残り、味方が攻撃に転ずるのを今か今かと待ちかまえていた。そうして一旦味方が攻撃に入れば、巧みなポジショニングで相手ディフェンスの間を取り、スルーパスを受けるとそれこそあっと言う間にディフェンスラインの裏側へと抜けだし、いとも容易くゴールを重ねた。また、優れたウイングを持つのが当時のバルサの特徴で、右のストイチコフ、左のミカエル・ラウドルップがサイドを切り裂きグラウンダーのクロスを送ると、何故だかフリーでそこに居るロマーリオが、またいとも簡単にインステップで軽々とボールをミートし、ゴールネットを揺さぶった。
それは、見ていると今のロナウドやビエリやアンリとは違い、「うわっ!こりゃ凄い!」と感じさせるプレーは全く見られないんだけれど、何故だかボールはゴールの内側に転がっていた。本当に、何で点が入ったか判らないゴールが多かった。
この頃のバルサは、ウイングを置いてグラウンドを広く使いながらも、その殆どをグラウンダーのパスで結んでいた。ゴールも、セットプレー以外は極端にヘディングのゴールが少なかった気がする。選手もそれ程大柄な体格を持ったものは居なかったし、チームで最も身長の高いフリオ・サリナスとナダルは、ベンチを温める事が多かった。ここから、何かを読み取らなければならないと思う。
我がタツヤが、今年後半急激にブレイクしたのにはちゃんとした理由があって、その大半は昨日紹介したスポナビのコラムに要約されているからそれを読んでもらえればいいんだけれど、タツヤも同じく体格のハンデを克服する為の技術を備えつつあるという事だと思う。個人的には。
ただ、今のような結果が出ているのは、エメルソンも含め彼らフォワードをチームとして生かす戦術が浸透したからだという事を忘れてはならないだろう。上背は無く、当たりに強いとは言えないけれど、一度前を向いてボールを持ったら手の付けられないフォワードを生かすには、それなりの方法がある。逆に言えば、フォワードがそれほど優れたフィジカルを持たずとも、決まった形を持つ選手と、それを生かす戦術が上手く噛み合えば、時にはロナウドやビエリを凌駕する得点力が生まれる事もあり得る。点を取る為に、特異な身体能力を持つ選手に頼らなくても良い事は、歴史が証明している。オフトは、2年掛けてその形を作りつつある。
◇精度◇ 11.10
その昔、まだ磐田が強かった頃(年間勝ち点2位のチームに向かってあれなんだけど、ゴンが滅茶苦茶に点を取っていた頃ね)、勝利インタビューを受けるとゴンは決まってこの様な台詞を口にしていた。
「まだまだです。もっともっと、精度を上げていかないと。精度を上げたいです。」
当時は、その台詞を聞いても何だ前向きな奴だなそんなに点取って勝ってまだ欲しいか、等としか受け取って居なかったけれど、オフトの就任後その価値観は一変した。サッカーにとって、精度の高さは死活問題だ。天国と地獄の差ほどある。理解するのが遅すぎるかも知れないけれど、解らないママよりはましだ。
最近、ウラワは明らかにボール回しが上達し、ポゼッションで殆ど相手を上回り、ここぞというときは一気呵成に大量得点を取れる様になっている。勿論、まだまだ引いた相手の時に課題は残すものの、少なくとも自らボールをキープして相手を崩そうという姿勢を保つ事は出来る様になった。これは今までのウラワでは考えられない事で、どうしてそうなったか考えてみた。
そこでふと思い出したのが、前述したゴンの言葉だった。そうか、精度か。ここでも書いたけれど、オフトは基礎的な練習を幾度もウラワに繰り返させた。良い視野でボールを受ける事、良い角度で味方と相対する事、細かく言えばきりがないから省くけど、要はボールを繋ぐための基本的な要素を延々と練習させたのだ。その成果が今のウラワに現れているし、今はゼリッチに多くの部分頼っている所があるにせよ、ディフェンスラインからのビルドアップは飛躍的に向上した。勿論、中盤の構成力も含めて。
精度の高さは、サッカーの全てに影響する。ちょっと大げさだけど、例えば単純に横パスを受けるにしても1メートル下がって良い角度を作れば、出す方も出しやすいし、受ける方もその後の展開に余裕が出る。こういった小さいけれど実はとても重要な一つ一つのプレーを、オフトは重要視している訳だ。そして、プレーそれぞれの精度が上がれば上がるほど、チーム全体のクオリティも上昇して行く。多分、オフトの教えた事の大部分は、こういう事だと思う。ゴンが何故あれだけ“精度”という言葉を強調したのか、だいぶ解ってきた気がする。
あと蛇足になるけれど、今日スポーツナビで西部さんのコラムを読んだ。これも言うなれば上の文章とリンクする話だし、個人的にとても共感したので読んでみて欲しい。フィジカルに劣る日本人フォワードのあり方へ一つの答えが出ている。
ウラワの攻撃も、ある意味“形”なんだけれど、それは追々書きます。(っていつだよ!というツッコミは無しでね)
◇瓦斯はほっといて◇ 11.9
いやぁ、遂に首位です。単独ね。後は勝つだけ。逆に他の星勘定をしなくて良い分、気楽になった。後ろから来るチームは数多いけれど、残りを全部勝てば優勝出来るという位置に、この時期になっても居られる喜びを噛みしめつつ、冷静に残り試合を戦って欲しいと思う。僕も死に物狂いでサポートする。
今後、恐らく他チームの対戦状況とか、残り対戦相手などの情報に振り回されて行くのだろうけれど、やっぱり今年のウラワは挑戦者であって、いちいちそれを気にしていたらきりがない。自分たちのサッカーをやって、それで全て勝てば良いのだから。
以前、オフトが良く「前半は寝ていた」という表現を使ったが、最近はそれを聞く回数が減ってきた。更に、ナビ杯決勝と昨日の試合を見る限り、立ち上がりから攻め、ペースを握るという事が体で分かる様になってきていると感じる。そうした方が、良い結果が出るという事も、みんな解っている筈だ。残りリーグ戦3試合、ニキは多分フィットするのは難しいだろうし、エメも2試合居ない。でも、この感覚を得られた事は大きくて、アウェーだろうと立ち上がりから猛攻を仕掛けるウラワを見る事が出来る筈だ。そして、9番が男になるシーンも。
ああ、アウェーの遠征がここまで心高ぶるものになるとは。
◇強くなったなぁ◇ 11.8
個人的には、平川のゴールがとても嬉しい。慣れないサイドをやらされる様になって2年弱、時間は掛かったけれど、最近成長の度合いが著しくて頼もしくさえ感じる。あれだけフォワードが注目されるチームだから、なかなか目立った評価は得られないだろうけれど、実は彼や内舘、長谷部あたりの成長が、今のチームを支えている。前線が余裕を持って活動出来るのも、彼らのお陰だ。
内舘も良くなった。感慨深い。彼も平川と同様、オフト就任後に未経験のポジションへコンバートされた一人だ。しかも、元来サイドバックの選手が、昨年はストッパー、今年はボランチと非常に重責あるポジションを与えられ、紆余曲折あったけれど、ナビ杯の決勝と今日の試合を見て、あの年齢でよくぞここまで成長したなと感嘆の声を上げずには居られなかった。今日もveronaさんと話していたんだけれど、内舘の様にマルチなポジションをこなせる選手がいる事が、チームにとってどれだけ大きな財産になるだろうか。今年不評を買う事が一番多かった選手だけに、潰れずここまでやってきてくれた事が何より嬉しい。
試合は、予想通りのポゼッション合戦。2−0までは、ほぼプラン通り出来たと思うけれど、オフトも試合後に言っていた通り追加点が取れなかった事が後半に響いた。あれだけボールをキープされると集中を保つのが難しくなるし、サッカーって守勢に回ると途端に疲れが倍増するから後半の20分くらいまでは本当に辛かっただろうと思う。だから、山瀬のゴールはとてつもなく大きな意味を持っていた。今年は、こういう時に点が取れる。少なくとも、その可能性は飛躍的に上がった。また、山瀬のゴールはその過程も美しく、僕はあのシーンに伸二がウラワを離れる直前のナビスコ杯ガンバ戦で見せたそれを、重ね合わせていた。
3点目を取ってからは、何とかペースを取り戻す事が出来たし、これが今年のウラワを象徴する所だろう。攻められている間も、目立って集中を欠く選手は出てこず、耐える時間と割り切ってペースを掴む手段を模索していた。まあ、日テレの攻めが多少手数が多かったのもこちらにとってはありがたかったけれど、それ以上にフィニッシュでの集中力が、日テレのそれを上回っていた。精神的にも、本当に強くなった。このペースを握るという作業、ゼリッチがその大きな要素になっているんだけれど、それはまた後日。
日テレはサイドバックも積極的に攻撃参加する事は下でも書いたけれど、やっぱり自分たちのサッカーを崩さず攻めてきたから、あれだけの点差になったのかと思う。そしてやはり、ディフェンス面での組織が、非常に脆かった。サイドバックのカバーリングをどうするか、まるで決め事が無かったように感じるし、あの守り方じゃウラワのトップを止める事は出来ない。攻撃過多のサッカーはそりゃ面白いだろうけれど、それだけじゃ勝てない。まあ、アルディレスは選手のタレントを見て、即効性の一番高い形で強化をしたのだろうから、ディフェンスまで手が回らないのは明らかだけれど。ウラワの強さは、ディフェンスに始まる組織力にある。その差を、まざまざと見せつけた試合だった。
ただ、相手の山田は凄かった。身体能力が異様に高いし、前半に見せたミドルシュートはそれだけでお金を払っても良いと思えるものだった。山田と名の付くサッカー選手は、皆身体能力が高いのだろうか。
あとは永井君、あなただけです。9番というとてつもなく重い番号を背負い、今年は怪我もあり辛い日々を送っていると思う。なかなか結果も出ないし、煮え切らない思いで一杯だろうとも思う。でも、今日の駒場で聞いた歓声の大きさが、永井に対する期待の大きさの表れだろうし、エメが2試合出場停止の今、君が男になる時がやってきたんだ。今年、積もり積もった思いを、この2試合でぶつけてやれ。僕らは、全力でサポートするから。

◇自信というもの◇ 11.7
今のウラワは絶対的に若いけれど、ナビ杯のVTRを見ていたら、彼らはその若さを超越した自信を持っている様に感じた。自信って、どうやったら身に付くものなのかと考えたけれど、自分の経験も踏まえて出した答えは「日々の反復」の積み重ねなんだよな。僕も受験生だった頃それなりに勉強したし、やはり試験当日自信がある時というのは、これでもかという位同じ問題を繰り返して解き、絶対的な回答を自分自身で導き出していた時だった。逆に、準備がろくすっぽ整っていない時は、自信を持って試験に臨む事が出来なかった。
そりゃ、基本的な事ばかり繰り返すのはつまらないかも知れないし、上手く山を張ってそれがドンぴしゃとはまった時の方が気分は良いだろう。でも、山は外れる事の方が多いし、外した時はいかに日々の鍛錬が足りなかったかを痛感するもんだ。成績の良かった奴から良く言われたもんな、「試験勉強なんて必要無いよ。普段やってるんだからさ。」
当時はとってもむかついたけれど、今となっては何て正しい事を言っていたんだろう、何であいつはあんなに大人びていたんだろうと思う。でも、やっぱり基本的な事を続けるのって、凄く難し事だと思う。人間だから飽きもするし。
ただ、それを続ける事が、自分の力になり、そしてそれが自信につながって行く。今のウラワには、そんな自信が漲っている様に見えて、選手達が凄く頼もしく見える。そしてその自信は、必ず今後につながって行くと思うし、明日の天王山でも良い方向へ作用してくれると信じている。
今年のウラワは、勝たなくてはならない、けれど今までならつまらない負け方をしていた様な試合を、悉くものにしてきた。だから、明日もきっと僕らを驚かせてくれるだろう。そして、それが来期以降継続される事を、切に願う。
◇気を取り直して、“それって日テレ”戦展望などを◇ 11.6
もう、明後日に迫った“それって日テレ”戦。ナビ杯勝利の後色々すったもんだあったから、気が付けばもうJは目の前に。ちょっと相手の分析なども踏まえて、実はリーグ制覇には超重要な土曜日の試合の展望などを一つ。
多分、日テレは現在の好調さから考えても、自分たちのサッカーを突き通すだろう。即ち、ショートパスとドリブルを主体に、主導権を握ろうとする筈だ。アルディレス就任後、日テレは自分たちで試合をコントロールしようとする姿勢が見られるし、技術の高さでボールを保持する時間を長くしてかなり攻撃的なサッカーを繰り広げている。特に、サイドバックが両サイドとも攻撃的なのが特徴で、三浦淳も山田卓(最近は中盤での出場も多いが)もかなり得点に絡んでいる。トップのエムボマ・平本も好調を維持していて、間違ってもファーストで叩いた相手とは違うチームになっていると言える。
しかし、今のウラワにとって、積極的に攻めて来てくれるチームは逆にありがたい。日テレはウラワが苦手とする4バックを採用するチームではあるが、前述の通り両サイドバックがかなり頻繁に攻撃へと参加する為、こちらが使えるスペースは非常に大きい。最近ウラワと対戦するチームの殆どは、ディフェンスラインを低く設定してウラワの誇る2トップのスペースを消す事に躍起になり、サイドバックも彼らのマークに着く事が多々ある。
それでも日テレは、恐らく守備重視の戦術を採ってくる事はないだろう。現在、彼らが好調を維持している理由は、間違いなく高いスキルで攻撃の時間を長くしている所にあり、それが上手く行っているからで、逆に言うと一旦守備に追われるとあっけない程簡単にディフェンスが崩れてしまう場面がある。多分アルディレス効果で、元々高かったスキルを存分に生かし攻撃面では良い成果が出ているものの、守備組織に関してはまだまだ時間が足りないと思われる。そして、相手によって戦い方を変えられるほど、柔軟なチームにはなっていない。
週末のゲームは、ポゼッションサッカーを指向する両チームが、がっぷり四つに組む好ゲームになると予想する。攻撃に人数を掛けてくる日テレに対し、ウラワはポゼッションを上げながらそこに潜むとっても美味しいスペースへ、獰猛なアルテマ・ウエポンを解き放つ。そんな展開になるだろう。攻めてきてくれさえすれば、今のウラワに怖いものはない。狂ったように攻撃参加してくるロペス(こういう輩が実は一番厄介)は居ないし。
色々あったけれど、明後日は今期最後の駒場。僕らは絶対良い雰囲気を作らなければならないし、またそうなる筈だ。ナビ杯準決勝の様なスタジアムの雰囲気が出来れば、間違いなく勝利はやってきてくれるだろう。
◇時間が経って◇ 11.5
ここ数日、色んな事がいっぺんにありすぎて、容量の足りない僕の脳はパンク寸前になり、何を考えているのか判らない状態になってしまっていた。生まれて初めて味わうタイトルの喜びと、どうにもならない憤りが僕の心を半分ずつ占めて、逆にそれがバランスとなりどっちにも傾かない煮え切らない感情が、果てしなく続いていくのかとさえ思えた。
今でも、どっちが良いのか判らない。ウラワに規律とタイトルを与えた監督に対し、あの様な非礼を働いたフロントが、今まで通り悪いのか。それとも、サポーターの心を踏みにじる様な発言をしたオフトが悪いのか。
タイトルを取ったのに、結局ウラワは相変わらずのフロントに振り回されるクラブなのか。それとも今のフロントは本当に優れたそれで、来期以降素晴らしいサッカーを僕らに見せてくれるのか。結論はいつまで経っても出ない。
結局、僕は週末の稲城緑戦にだって応援に行くし、多分来年も変わらず応援に行く。それだけは絶対変わらない、と思う。
◇オフトとの2年間◇ 11.4
昨日は、少々感情的になりすぎたかも知れない。確かに、サポーターの事を考えればあの日の発言は無いだろうとの思いもあるし、逆にあそこでオフトが言い放った事が、ウラワの全てを物語っているのかも知れないとも思う。僕個人の事を言わせて貰えば、オフトの事を信頼していたし、彼がやろうとするフットボールがどこまで進化するか、見てみたい気持ちも大きかった。だから、今日の結果はとても残念だし、出来る事なら来期もオフトに指揮をとって貰いたいという気持ちは揺るがない。
オフトがウラワの監督に就任した時、ウラワは変化の胎動が感じられる非常に良い時期だったと記憶している。塚本さんが社長職に就任後、美園パークの構想や、森GMの招聘、そしてオフト監督との3カ年計画による強化。今までのウラワでは考えられない程先を見据えたものが感じられ、また裏切られるのではないかという恐怖もありながらも、期待を持ちつつ開幕を待った。確かに歩みは遅かったが、着実に進歩しているのは僕にも感じられたし、特に昨年後半は終盤の情けない失速はあったにせよ、初めてファイナリストになれたという、ウラワにとっては成果の多い年だったと思う。
福田・井原が引退し、今年は飛躍の年だった。エジムンドの退団など、きな臭いスタートとなってしまったが、最終的には前期6位。山瀬の復帰も大きかったけれど、この結果はオフトによるものと言って間違いがあるだろうか? そして、後期の優勝争い、ナビスコカップ制覇。ウラワにも、漸く遅すぎる春が来た。そう、オフトに率いられた若い集団が、やっと僕らに恵を与えてくれたのだ。引退した先輩達もこぞってオフトを評価し、また、サポーターの間では色々な意見が巻き起こったけれど、後期はオフトの掲げるポゼッションサッカーが徐々にその全貌を見せ始め、ある程度試合を支配する事が出来るまでウラワは成長してきた。
その結果、今まで散々悔しい思いをさせられてきた鹿島に対し、結果・内容ともに圧倒する試合で初めてのタイトルを勝ち取り、ウラワの進化をまざまざと見せつけ、サポーターは歓喜に酔った。ただ、一部に進化出来ていない所はあったけれど。
昨日、西野努氏が公式サイトをオープンさせ、その日記の中にオフトに関する記述があった。寝耳に水と言っていた。彼は今年半ばまでウラワに在籍していた人間だ。ミスターレッズも、昨日のテレビ埼玉で、憤りを隠さなかった。僕だって、やるせない思いで一杯だし、身の回りのサポーターも何でこうなるのかという気持ちを隠さない。だって、ウラワは今まで全く勝利を知らなかったクラブなんだ。そこに、初めて勝利する事を教えてくれた人間に対して、どうしてあの様な酷い扱いが出来るのか、僕には不思議で仕方ない。知り合いのサッカー誌の編集者がいみじくも言っていた。
「面白いサッカーとか言うけど、内容を求めるのは常勝チームの言う事なんだ。勝つ事を知らないチームが内容を求めたって、それは本末転倒だ。内容は、勝利する事によって、少しずつついてくるものだし。」
ウラワも、そうだったんじゃないだろうか。
これからウラワがどうなるか判らないし、来期以降ウラワがどの様なサッカーをするのか、僕らが決める事は出来ない。僕らに出来る事は、スタジアムで声援を送る事のみ。勿論、それをしないのもまた、方法論の一つではあるのだけれど。クラブには、明確なビジョンを僕らに提示する義務があるし、それに沿った具体的な方法を明らかにする必要がある。僕らはそれらを注意深く、冷静に、見守って行くしかないだろう。
個人的に、オフトは好きな監督だったし、ウラワに規律や、基礎的な技術や、ボールポゼッションの方法や、ポジショニングや、その他様々な事を教えてくれた監督として、凄く評価している。そして、ウラワに「勝利・タイトル」をもたらしてくれた事に対して、尊敬もしている。もう、彼が率いるウラワを見られるのは残り数試合となってしまったけれど、その試合全てに出来る限りの声援を送りたいと思う。
◇ウラワは変われるか◇ 11.3
もう、声が出ません。あれだけ叫んだのはいつ以来だろう、精も根も尽き果てました。嬉しいのは勿論だけれど、これからもあるし、国立では周りと喜びながらこれでやっとグランデ・ウラワの序章が始まったと、今後に想いをはせていました。
ウラワへ向かう仲間と別れ、明日からの仕事を考え家路についた僕は、地下鉄に乗ろうと外苑前の駅にたどり着いた辺りで、突然冷や水を浴びせかけられました。駒場の様子はどうなっているのだろうと、気軽な気分でi-浦議を開いたら、そこには「オフト辞任」のニュースが。
全く訳が分からず、きっとJ2瓦斯サポの煽りだろうと気にしていなかったのですが、そこへ追い打ちを掛ける様に、会社の編集者から電話が入りました。彼は今日の会見を取材していたのですが、オフトの辞任発表はどうやら本当の事らしく、事態が飲み込めないオフト派を辞任する僕と嫁は、2人何故だか大戸屋へ入って、まるで負けたチームのサポの様な、それこそお通夜の様な夕飯をとりました。
勝った日に、ウラワに史上初のタイトルがやってきた日に、辞任を発表するなんて尋常ではありません。何かが狂ってます。報道に寄ると、シーズン中にオフトは人伝で「社長が来季は違う方向性のサッカーをしたい」などと言っていた事を耳にしたらしく、明らかに不当な扱いに対して憤慨しての事らしいです。真実は分かりかねますが、あのオフトがこの様な発表をする事自体、フロント、否社長に対して非常な憤りを持っている事が解ります。果たしてこれが、プロのクラブがとるべき態度でしょうか?

極めて冷静・客観的に見ても、オフトは歴代ウラワの監督の中で最も結果を残している監督です。継続性を重視し、つまらないサッカーなどと揶揄されながらも、堅実に着実に、基盤を固めてきました。それが今日の結果に結びつきましたし、明らかにこれからも伸びしろが期待出来るチームになってきました。ここまで来られたのは、オフトを始め、森ゼネラルマネージャーと塚本先代社長の功績です。決して犬飼氏の功績ではありません。
今後どうなるかは判りませんが、個人的には全く納得がいきません。今日のレッズプレスにも、辞めたいと思う人間を引き留める事はしないなどと、犬飼氏は仰ってました。僕は犬飼氏に土下座してでもオフトを引き留める責任があると思いますし、仮に引き留める事が出来なくても、その姿勢を見せる必要はあると思います。また、犬飼氏が考えている違う方向性のサッカーというものを、サポーターに解りやすく説明し、そのためにどの様な監督を呼ぶのかをはっきりさせなくてはなりません。企業のトップにいる人ですから、説明責任という言葉を知らないとも思えませんしね。
少なくとも、先代塚本社長の時に、森GMと3年計画という事で招聘したのが、ハンス・狸・オフトだった筈です。それを後から乗り込んできた人間が、勝手に2年計画にしろと言ったり、既に後任監督をリストアップしている所から見ても、明らかに彼はオフトを今年で切りたかったのでしょう。折角、塚本さんから良い流れで動き始めたと思ったウラワレッズが、また後退してしまうのではないかという危惧を感じています。何だか、オジェックの時を思い出します。こういう人材を登用してしまう所に、三菱の悲哀を感じます。
ただ、今日勝ったのは紛れもない事実。現場で感じた感動は、もう口には出せない程のものでした。これからも、もっと勝つウラワを見たい。グランデ・ウラワを。そのためには、僕はまだオフトが必要だと思います。彼の続投が叶うならば、何かしらアクションを起こしたい。そう思ってます。

◇オフトの言い分◇ 11.2
決戦を前にしてこんな事を言うのは何だけれど、仮に明日もし勝てない様な事があったとしても、それがウラワを否定する事にはならない。今から言っておくけれど、今のウラワは進化途中であって、どんなチームにも余裕を持って戦えるチームにはなっていない。この2年弱で明らかに進化してきたけれど、まだまだ先は長い。若く、ポテンシャルの高い選手を多数擁し、これからのチームなのは間違いない。上手くいけば、毎年優勝争いが出来るチームになる可能性を十分秘めているチームだと言える。
しかし一部には「明日勝てなければウラワは長いことタイトルが取れないだろう」などという、選手達に対して失礼極まりない発言をしている者もいるし、そう思っている人もいるのだろう。その発言が、選手たちを叱咤する為になされたものだとしても、やはり言って良い事と悪い事がある。そして、その発言は圧倒的に間違った認識の下にある。
先日、オフトはサッカーマガジンの中で、去年のキャプテン井原とナビスコカップについて対談し、そこでこう発言していた。
「我々は全力で勝ちに行く。それは当然。でも、この一戦の結果によってクラブの未来が変わるような事は、あってはならないし、仮にあるとするなら、もっと基本的な部分で間違いを犯しているという事になる。ウラワはこの10年、栄光をつかむ事無く過ごし、少しずつ変わり始めている。この決戦は確かにビッグマッチかも知れないけれど、土台を固めながら、やるべきことをやってきたのだから、ここで勝とうが、負けようが、その先の道のりが変わることはないよ」
これが、全てを表している。僕らは負ける事など考えないし、当然勝つ積もりだけれど、仮に1試合上手くいかなかったからといってそれを否定すると、この2年間歩んできた素晴らしい道のりを全て否定する事になる。明日の結果に関わらず、グランデ・ウラワへの道程は揺るがない。
僕らは信じて声援を送るのみ。選手達は、自分を信じて、死ぬ気で戦うのみ。そうすれば、自ずと結果は見えてくる。
◇3バック◇ 2003.11.1
報道では、鹿島が3バックを引いてくるらしい。池内・秋田・大岩の3バックは、そりゃ強固でしょう。でも、僕は個人的に、鹿島が3バックを引いてきたならば、ウラワの勝機は確実に増えると考えている。
以前から考えてきた事だけれど、オフトのサッカーは1対1を限りなく生かす戦術を採っている。特にオフェンスの人材にはドリブルを得意とし、尚かつ水準以上の決定力を持つものが揃っていて、サイドに位置する選手も同じ様に1対1を得意とする選手が存在している。それはオフト以前から変わらないけれど、オフト以降は局面でなるべく多く1対1の場面を増やし、そこで勝って得点へと結びつけようという明確な意志が感じられるのだ。市原や磐田の様に、選手の運動量を上げて攻撃時に数的優位を作ろうとするサッカーとはかけ離れているけれど、現状の人材を考えると極めてロジカルな方法をオフトは示してきたと思う。
「何だよ、横パスばっかりで攻撃しないじゃん」今年のウラワにはこの様な台詞をぶつける人も多いかとは思うが、そうしている時、常に彼らは前線が1対1になる時を見計らい、それが見えた刹那、縦パスを通す。そして、そこで前線がその勝負に勝てばもう1点だ。先日の味スタでエメルソンが見せた豪快なゴールはその真骨頂で、啓太がドリブルで相手の左サイドハーフとサイドバックを引き連れ、長谷部へ横パス、そこから長谷部は時間をおかずエメルソンに縦パスを通した。エメルソンはその時相手センターバックの茂庭と1対1。あとはエメルソンが勝つか負けるか。結果、あの様なゴールが生まれたのである。今年のウラワには、この様な形のゴールが多い。
では何故、鹿島が3バックならウラワの勝機が増えるのか。それは単純に、どちらも3バックでウイングバックを置く布陣だからである。オールコートで1対1のマッチアップが極端に増える。全盛期の鹿島なら兎も角、今の鹿島にウラワの選手と相対して攻守両面で上回る選手がどれだけいるのか? 秋田しかり大岩しかり、彼らが素晴らしいディフェンダーである事に異論を挟む積もりは無いけれど、それにしたって彼らがウラワの誇るアルティマ・ウエポンに対して勝利し続ける事が出来るであろうか。それに、4バック時の様に、中盤へのマークで山田や平川が中央や時には逆サイドまで連れて行かれる事も無くなる。目の前の選手と慣れたマッチアップをこなせば良いのだから。そうなれば、必然的に攻撃時の視野も良くなる。
ウラワの前線は、2トップのそれとしては異例な程離れたポジションを取り、常に相手マーカーを引きつけディフェンスラインを広げようと努力している。これが優れた4バックを相手にするとなかなか効果的なボールの受け方が出来ない(常にセンターバックとサイドバックの2人がマーカーにつくため)が、相手が3バックになればいくら相手が優れた資質のディフェンス陣を敷いてきたとしても、非常に楽にボールを受けられる様になるのである。3バックでウラワの攻撃をしのごうとする際は、更に攻撃へ参加する意志のないディフェンシブハーフを2人揃えなくてはならないのである。そう、柏レイソルや横浜マリノスの様に。そうして更に、ウラワと同等レベルかそれ以上のスピードと決定力を持ったフォワードと、そのフォワードへ合わせる高いレベルのキックを持った選手がいなくてはならない。そう、横浜マリノスには、負けるべくして負けたのだ。
だから僕は、鹿島が3バックを引いてくるという論調に純粋には賛成出来ない。もし彼らがそうする時は、限りなく1−0というスコアを意識していると言って良い。もしかするとPKまで視野にいれているのかも知れない。個人的には、駒は揃わないとは言えいつも通りの4バックで彼らに臨まれた方がとても嫌だし、もし本当に3バックで来るならば、もはやロートルと呼ばれてもおかしくない老害ディフェンスラインに大きな風穴を開けて、大量得点で勝利する事を期待している。恐らくそれは、柏を攻略するより簡単な事だ。鹿島には、明神は居ない。
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